第1160話 一生分のイチャイチャ
一年後。タスレ村。
「バーガー様、バーガー様!」
「むにゃむにゃ、もう食べられないよ」
「寝ぼけているんですか? 何食べてるんですか? 私にも食べさせてください!」
「アイナをたべてたのさ」
「……もぅ、きゃっ」
赤面するアイナをお姫様抱っこして寝室を出る。
「お! バーガー、アイナちゃん! おはよう!」
「おはよう母さん」
「おはようございます、セニャンさん!」
「朝からイチャイチャして、まだ一日は始まったばっかりやで」
「そうですね、まだまだアイナとイチャイチャできます」
「……ッ」
「かー! 新婚か! あ、新婚やったわ」
そう一年前のあの日、俺たちは結婚した。
それはもうスムーズに進んだ、あれだけ世界が壊れまくったと言うのに、俺たちの式は復興よりも早く行われた、真っ先に行わられたイベントが俺とアイナと結婚式だった。
偽シェイカーの中にいる全人類に釘を指した。シチューをデコピンで倒し、イズクンゾをぶちのめし、ブラギリオンとの死闘に立ち会った人で、待った掛けられる人はいないだろう。その時のスピーチの一部は、
「アイナは俺の女だからな、寝取ろうとするなよ、あのマジで特にイケメン! これはネタ振りじゃなくーー」
「バーガー様!」
「は、はい!」
「私がバーガー様以外の人を、そういう目で見たことがありますか?」
「な、ないっす、すいません」
「ふふ、よろしいです!」
てな具合だ。なんとも童貞らしい結婚式だった。
ウィルが帰ってきた。
「帰ってきたでー、ワイが帰ってきたでー、畑を荒らすわるーい青猪をシバいてきたでー!」
「おかえり父さん」
「おかえりなさいウィルさん!」
「うわあ!出たな! 妖怪イチャコラー! 朝からチュッチュかチュッチュかしおってからに! 新婚か! ……新婚やったわ!」
「とーちゃん、それウチがさっきやったで」
「ネタ被ってもた!!」
なぜこれだけイチャついているかと言うと、この体で一年間も踏ん張ってきたけど、そろそろ消えそうなんだ、この肉体は最強でも、呼んだのは魔法だ、魔法はいずれ解ける。もしかしたら、魔法が解けたらそのまま死ぬかもしれない、だから一生分イチャつかないとな!
「さ、こんなアホなことやってないでご飯やご飯! ぎょーさん作ったから食べてやー!」
「「「いただきます!!」」」




