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第1156話 悪童の魔剣2

挿絵(By みてみん)


「いやぁ、見事でござった。久々にいいものを見れたでござるよ」

「ブラギリオン」


 漆黒騎士はつかつかとフランクに近づいてくる、みんなが止めようと動き出すまえに俺は一歩前に出た。俺が抱いていた疑問は確信に変わっていた、この肉体に戻ってハッキリとわかった。


「あんただろ? 異世界最強なのは」

「え?」


 アイナたちが驚いた顔をした、屋上から降りてきたメアが笑った。


「あはははは! そんなわけないじゃない! あのイズクンゾ様より強いなんて、たしかにブラギリオン様は強そうだけど、四天王が魔王様より強いなんてありえないわ!」

「はっはっはっはっはっ!」


 ブラギリオンが腰に手を当て高らかに笑った、メアが引いた顔をする。


「あっぱれ、あっぱれでござるよ!現代最強番重氏、如何にも拙者がこの世界で最強でござるよ」


 世界が2つあれば、二人の最強がいる、俺はずっとぼんやりと頭の隅で考えていた。イズクンゾは俺の世界で言うところのギアだ、精神に対して肉体が伴っていなかった。


 二つとも作者が同じ女神の作った世界だ、この世界にも俺と同等の存在がいてもおかしくないだろう。


「質問があるんだ」


 ブラギリオンは肩を竦めて促した。


「なんでイズクンゾについてたんだ? あんた悪そうな人じゃない感じがする、余裕で殺せただろ?」

「愚問でござるなぁ、拙者と番重氏のみが理解()かることでござるよ」


 ああ、なるほど。


「相手が欲しかったのか」

「正解でござる、諦めていたんでござる、藁にもすがる気持ちとはまさにこの事、魔王様は拙者の願いを見事成就させてくれたでござる」

「そうか、イズクンゾが最強になるか、それを超える者が現れるかって感じか、そうだよな、俺もあんたくらい長生きすればそうなったのかもな」

「それは違うでござるよ、拙者らは似てこそいるが本質は根本的に違うでござる」

「というと?」

「拙者は悪、番重氏は正義ということでござるよ」

「そうか? ここまでいくと悪だとか正義だとか、それこそどうでもよくなってこないか? ほらもっと他にあるだろ?」


 俺はアイナを見る。


「わかるわー、拙者それマジわかるでござるよ、他者の心はこの腕っ節ではどうしようも無いもの、この力で変えることも可能でござるが、それでは元も子もないってことでござるよね。楽しいでござるよな、拙者の場合はアイドルを推しているでござる、あれは手に入らぬからこそ、儚げで刹那、何よりも尊いものでござる」

「わかるぞ、じゃあ喧嘩するか!」

「やろやろ、表に出るでござる!」


 メアが呆れた顔で言った。


「こいつら馬鹿すぎるわ、付き合ってられないわよ!」


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