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再会です

 マグナは1人で山道を歩いていた。

 それは中継都市に着いて宿を取った後に行ったギルドで、今は使われていない砦に山賊が住み着いたという話を聞き、小金を稼ごうと討伐依頼を受けたからだ。


 ちなみにアリエルは街を観光中で、アリエルの部屋に置き手紙をしたから問題ない…筈だと思っている。


 そして目の前にある問題の砦は、防壁は朽ち壁に蔓がびっしりと貼り付き、廃屋寸前だった。

 とりあえず山賊の人数を確かめようと、辺りを一通り偵察してみたが、何故か敵の1人も見当たらなかった。


 おかしいと思いつつも、マグナは慎重に辺りを警戒しながら砦の扉を開け、中を伺うと、通路の奥から複数人の話し声がする、声と話し方から女である事辛うじてがわかるが…山賊の一味なのか、それとも捕まっているのかは判断できない。


 しかし捕まっているなら早く解放しようと、中に入り、通路を少し進んだ先の明かりのついた部屋の中を覗くと、話をしている女が4人と、地面に倒れている10人程の不潔そうな男がいる事から、恐らく女達は同業者だろうと中に入った。


「ん? 誰かしら? 増援?」


「いや、冒険者だ、すぐそこの中継都市で依頼を受けたんだけど、あんたらに先を越されたみたいだな…ってあんたらは…」


「私達に何か?」


「いや、あんたら、アリエルの仲間だろ?」


「は?」


 マグナがアリエルと言った瞬間、今まで話していた女から物凄い殺気がふきだした。


「貴方…何故アリエルを知っているのかしら、あの子は今ここに居ない筈よね……まぁ疑わしきは罰せよって事で、サクラ戦闘準備をしなさい、そこの男を半殺しにして話を聞きましょう」


「了解」


 そう言って小柄な女の子もガントレットを腕に付け、マグナに殺気を向けた。


「おい! ちょっと待て! それを言うなら疑わしきは罰せず…」


「うるさい」


 マグナは愕然とした、ここまで話が通じないなんて初めてだったからだ、正直山賊でももっと話が通じると思った。


「サクラは攻撃だけに集中しなさい、防御と援護は私がするわ、水月と星歌は下がっていなさい」


 2人の女が下がり、目の前にはドレスの女と、小柄な女の子が並んで立っている。

 マグナはもう話し合いは無理だと判断し、仕方なく無力化しようと剣を抜いたその時、突然小柄な子の姿が消えた…と頭が理解した次の瞬間、拳を振りかぶった女の子が目の前に現れた。


 その一撃をマグナはなんとか体をひねって間一髪避け、これはヤバいと冷や汗をかく。


「おいおい…マジかよ」


 その呟きに答えることなく女の子は攻撃を続けてくる、その一撃一撃が速すぎるが、何とか反応し、少し大振り気味な一撃を避け、剣の腹で叩こうとしたその瞬間…マグナの体に凄まじい悪寒が走り咄嗟に後ろに飛ぶと、さっきまで居た場所に歪んだ空間から出てきた黒い槍が3本、突き刺さっていた。


「あら、いい反応ね」


「そうですね、普通ならあれで死んでますよ」


「ふむ…少し気が変わったわ、少し話をしましょうか」


「あぁ…そりゃ助かるよ、正直このままやっても勝てる気がしない」


 そう言って女達が武装を解除したのを見て、やっとマグナは安心した。

 これでとりあえず命は助かったと。


「まず最初に言っておく、アリエルは今中継都市にいる、俺はあんたらを探すのを手伝っていただけだ、危害を加えたりは一切していない」


「そうでしょうね、そんな事してたら貴方はもうこの世にいないでしょうから」


 ドレスの女が当然のようにそう言うが、俺は意味が分からなかった。

 だって俺と彼女達は初対面なのだから。

 俺が何してようと分かるわけがないし、仮に危害を加えたとしても、誰が俺を殺すか死なせるかをするというのだろうか?


「あ、誤解してるみたいだから言うけど、そんな事をしてたら、今頃ころ…アリエルちゃんに殺されてこの世にいないって事だから」


「アリエルに? いやむりだろ、剣もまともに使えない剣士がどうやって俺を殺すんだよ」


 マグナがそう言うと、4人はため息をついた。


「あの子の強さは剣じゃなくて魔法よ、貴方は私達に随分苦戦していたけど、あの子が本気を出せば私達なんて1撃で殺されるわよ」


「はぁ?」


「これは本当の事ですよ、私ならアリエルさんとは絶対に戦いません、自殺するようなものですから」


 と話していると、マグナの耳には扉の後ろからトコトコと足音が聞こえた。


「!? 誰か来るぞ…」


 マグナは剣を抜き、扉に向かって構えると、ギィっと扉が開き、アリエルが中に入ってきた。


「やっほーマグナ…あっ! 皆久しぶりー!」


「おい…何でここまで来てんだよ」


「いやマグナだけじゃ大変かなって思ったからさ、私の超絶剣技を見せてあげようと来たんだよ!」


「やめなさいアリエル、見苦しいわ」


「嘘はよくないですよ?」


「ころちゃん…」


「見栄張っても…すぐばれるよ…?」


「皆酷くない?」


 アリエルはそう言って椅子に座り、そのまま顔を伏せてしまったのだった。



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