始まりとは急に訪れる
上を見上げればどこまでも続く青空。周りを見渡せば目に入る広大な平原。そこで俺は、いや俺たち五人は────
モンスターと対峙していた────。
* * *
俺の名は天宮拓叶。
東華学園に通う高校一年生だ。
俺は普通の日本人にはない銀髪だった。父が外国人で母が日本人だ。
父はいまから五年前に帰省中、不慮の事故に巻き込まれ亡くなってしまった。
それにより母は仕事のため三年前からずっと外国に単身赴任中だ。
今まで妹と二人暮らしをしていた。なぜ過去形なのかはまた後ほど分かるだろう。
さて、簡単な自己紹介は終わりにして、なぜ俺がこんな状況になってしまったのか───。それは約半年ほど前に遡る────。
* * *
クリスマスのベルが外から聞こえる十二月末、今日は終業式。中学三年生の俺は隣のクラスの親友の望月健と廊下で話していた。
「あ〜受験勉強めんどくせ〜冬休みくらいパ〜っとしようぜパ〜っと!」
「違うだろ。冬休みだからこそ今までより頑張らな」思わずつっこむ。
「あ〜もー神よ私めの願いかなえたまえ〜。受験よ消えろ〜」
「アホか」望月はこういうやつだ。
突拍子なことを急に言うからこっちも反応に困る。すると
「はいはーい終業式いくよークラスごとに並んでー」
「おい先生読んどるぞ。終業式いくぞ」
「おうじゃまた後でな~。あ〜だり〜」
「そういうな。じゃあな」
いつも通り過ごしながら終業式を迎える。
たが、このあとの終業式がいつも通りでは無かったのだ。
いつも通り終業式は行われた。
『校歌斉唱』と教頭。
「「「〜〜〜♪♪」」」
歌う気にならねえ。
『校長挨拶』
『えー在校生の──(以下略)』
(中略)
『これで第○○回終業式を終了します。この後表彰を行います。該当する生徒の方は舞台に上がってください』
え、まだなにかあるの?
(中略)
『これにて表彰を終了します。何か先生方からの連絡は有りませんか。あ、はい、それでは校長先生お願いします』
こーちょー??なんでだ。そんなこといままであったか?
『これより名前をあげるものは全員帰ったあと私の所に来なさい』
おいおい誰が何をやらかしたんだ?
『3年5組 望月健』
うぉい望月のやつなにやらかした?
望月の方を見ると向こうも混乱している。
『3年6組 天宮拓叶』
「は?なんで?」
おもわず声が出てしまった。
『それでは三年生から退場してください』
「………」
もう声も出ない。
「なにか知らんけど頑張れよ」
友達の大嶋がそう言い帰っていった。
数分後、俺と望月と校長だけが残った。
「それではお二人方いってらっしゃい」
「「は??」」俺と望月の声が重なった。
* * *
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───。
ん?
俺が目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。