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第66話

 天空宮・円卓の間にて、四柱帝ラファエルと交戦するアルディア達。

 ラファエルの放った魔法『テンペスト』によって、アルディア達は満身創痍の状態に陥った。

 その後、各々が何とかラファエルに対抗をするものの、傷ついた身体ではラファエルに対抗することができず、更に追い詰められていくアルディア達。

 そんな中、魔力も切れていたアルディアが、ラファエルのテンプテーションにかかってしまう。

 テンプテーションにかかってしまったアルディアは、ラファエルに命じられるまま、天空宮から飛び降りてしまったのであった……。


 ――――天空宮・円卓の間

「アルーーーーー!!!!」

 ラファエルの命により、天空宮から飛び降りたアルディアを見て、心の底から出たような、大きな声で叫ぶルービィ。

 一方、ラファエルはというと、

「はは、ははははははは……。あはははははははは!」

 と、飛び降りたアルディアを指差し、高らかに笑った。

 そして一頻り笑い終えると、ラファエルは

「正直、あっけなかったわね」

 と言う。

 そして続けて、

「私が始末しちゃったから、『ウリエル』は残念がるかしら? ま、戦闘狂のことなんてどうでもいいんだけどね」

 そう言うと、翼を広げ、ゆっくりと浮かび上がった。

「どこへ行くつもりだ!?」

 飛び上がるラファエルにそう尋ねたのは、投げつけられた椅子を避けて起き上がったザフィーアであった。

「どこへ? 無論、あの娘のところよ」

 上部よりザフィーアを見下ろしながら、ラファエルはそう答えた。

「あの娘がちゃーんと挽き肉になっているか、この目で確認したいからね」

 ラファエルはクスリと笑いながら、続けてそう言った。

 その言葉を聞いたルービィは、怒りを露わにし、ラファエルを睨み付ける。そして、ラファエル目がけて火炎球を放つ。

「!!」

 ラファエルの死角より放たれたルービィの火炎球は、そのままラファエルに直撃。ラファエルの身体の羽毛を焦がした。

 だが、魔法を発動させたルービィ自身の魔力が万全ではなかったこともあり、ラファエルの羽毛を焦がす以上のダメージを与えることはできなかった。

 しかしながら、このルービィの攻撃はラファエルの感情を逆撫でする。

 ラファエルは先ほどまでの笑みを再び無くし、冷たい視線をルービィに向ける。そして、ゆっくりとルービィの方へ舞い降りると、そのままルービィの顔面を思いっきり蹴り上げた。

「がはっ!」

 青い鼻血を流し、吹き飛ぶルービィ。魔力すら纏わない、純粋な暴力ではあったが、弱っていたルービィに傷を負わせるには、十分な攻撃であった。

「……本当に、いちいち腹立たしいわね、貴女は」

 鼻血を流し、仰向けに倒れるルービィを睨み付け、そう言うラファエル。

 そして再び飛び上がると、エスメラルダ達の方を振り向くと、再び笑みを浮かべ、

「"良い挽き肉"が手に入りそうだから、折角だし私の従僕となった者に、貴方たち地上の者の好物という"はんばぁぐ"っていうのを作らせて振る舞うわ。だから、貴方たちはその散らかった椅子を直して頂戴」

 と言うと、天空宮から飛び出していった。

「ハンバーグって……。まさか僕たちにアルを食べさせる気……?」

 ラファエルの言葉に、思わず吐き気を催し、口に手をあてそう言うエスメラルダ。

「アルが……アルが死ぬわけがない……!」

 仰向けのまま倒れているルービィが、拳を強く握り、唇を強く噛み、言葉を絞り出しそう言った。

 そんなルービィの下へザフィーアが無言で歩み寄る。そして、ルービィの横でしゃがみ込むと、

「そうだな。あのガブリエルを倒したアルが、この程度でやられるはずがないな……」

 そう言うと、ルービィの肩に軽く手を添えた。

「まぁ、僕たちはアルの無事を、ここで祈るしかないね……」

 エスメラルダはそう言うと、円卓の間から見える外の景色を細い目で見つめるのであった……。


 ――――大空

「おい、娘! しっかりしろ!」

 エメラルドドラゴンの声が、空に響く。

 だが、その声に応える声はなかった。

「ラファエルの術にやられたか? ……ならば」

 エメラルドドラゴンはそう言うと、身体から電気を放電させる。

 すると、エメラルドドラゴンの背中から、何かがビクンと跳ね上がった。

 エメラルドドラゴンが放電を終えると、跳ね上がった何かは、再び動きを止める。そして、暫くすると

「ん、んん……」

 と、エメラルドドラゴンの背中に乗っていた何かが、モゾモゾと動き、起き上がる。

 そして、

「あれ? ここは?」

 と言うと、起き上がったソレは辺りを見渡した。

「目が覚めたか、娘」

 エメラルドドラゴンは起き上がった少女、アルディアにそう尋ねる。

「えっと……私は?」

 状況を理解できないアルディアは、額に手を当て、自身の身に起きた出来事について思い返そうと試みる。

 そんなアルディアに、エメラルドドラゴンは

「突然天空宮から落ちてきたのだぞ? 一体何があった?」

 と、アルディアに尋ねた。

「天空宮から? 私が?」

 自身が天空宮から落ちてきたというエメラルドドラゴンの言葉に、困惑をするアルディア。

「思い出せないのか?」

 エメラルドドラゴンは、そんなアルディアに改めて問いかける。

 アルディアは頭を抱えながら、天空宮で自身の身に起きた出来事を、暫く思い出そうと試みる。そして、少しずつだが、自身の身に起きた出来事を、思い出しはじめた。

「そうだ……私、天空宮でラファエルに大量の桃色の鱗粉を浴びて……、そこから記憶がなくなって……、気がついたらここに……」

「そうか、奴のテンプテーションにかかっていたわけだな」

「うん。オーバードライブが発動できなくて、結局抵抗できず……」

「そうか……」

 アルディアに、エメラルドドラゴンは何も言わず、ただ返事だけをした。

 そしてそのまま、両者の間には沈黙が走った。

 だが、直ぐにその沈黙を打ち破るかのように話を切り出したのは、エメラルドドラゴンであった。

「オーバードライブの魔法を使えば、ラファエルのテンプテーションに対抗できるのだな?」

「うん。ただ、出力を上げた状態での使用だから、長くは持たないけど……」

 エメラルドドラゴンの問いかけに、アルディアは自信なさそうに答える。

「そうか。だが、一切対抗できないわけではないならそれでいい」

 エメラルドドラゴンは、アルディアの答えに、否定をすることなくそう返した。

 そして続けて、

「……もし、望むなら、このまま天空宮に戻るが、どうする?」

 とアルディアに尋ねる。

 エメラルドドラゴンの問いかけに、アルディアは少し間を置いた後、

「……皆がいるから、戻って戦いたいかな」

 とエメラルドドラゴンに答えた。

 アルディアの答えを聞いたエメラルドドラゴンは、

「わかった。では、天空宮へ向かおう」

 と答えると、天空宮へと向かって飛び立った。

「でも、外のクリーチャー達は……?」

「案ずるな。お前達が我が居城でアエロ達を倒してくれたお陰で、表のクリーチャーは雑魚ばかり。既に掃除済みだ」

「そう……」

 エメラルドドラゴンの回答に、一言、返事をするアルディア。

 だが、内心では

「(流石、三神龍)」

 と思っていた。

 そんなやりとりをしながら、天空宮へと近づくエメラルドドラゴン。

 だが、天空宮に近づくと、そこには落下したアルディアの様子を見に、表へと出てきたラファエルの姿があった。

 天空宮へと近づいてくるエメラルドドラゴンを、丁度見下ろす高度で見つめるラファエル。

 その背中に乗っているアルディアの姿を見ると、ラファエルは金雷扇、銀風扇を持つ手を震わせる。

 そして、鉄扇を握る手に力を入れながらも、静かに口を開いた。

「おかしいわね。どうして、地を這うことしかできない筈の蛆虫が、私の空に居るのかしら?」

 ラファエルはそう言うと、金雷扇を持つ右手を、ゆっくりと上げる。

 そして、金雷扇に魔力を込めると、アルディアを睨み付け、

「一体誰の許可を得て、この空を飛んでいる!!!!」

 今までにないほど、声を荒げてそう叫ぶと、金雷扇を前に突き出し、光線上の電撃をアルディア目がけ放った。

「我だ!」

 エメラルドドラゴンはそういうと、口から電撃のブレスの魔法を発動させ、ラファエルの魔法に応戦する。

 両者の魔法は激突すると、そのまま均衡状態となる。そして少しの後、激突部より電撃が拡散。両者の魔法はそのまま相殺された。

 この魔法の激突の後、お互い距離を取るエメラルドドラゴンとラファエル。

 先の魔法が開戦の合図となり、空での戦いがはじまったのであった。

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