第1話 逃げ込んだ場所は。
どうも。はじめましての方ははじめまして。朱羽の索夜です。
東方二次創作2作目です。はい。
今回は幻想入りした直後の話となっております。
それではどうぞ。
「なんで…」
理由がわからない。
「どうして…」
こんな事をする理由は?
「早く行かないと…」
私が…
『逃げられる場所』に。
私――『秋風紅葉』は生まれつき出来が悪かった。
親に言われたことも満足にこなせず、『社会不適合者』の烙印をおされてしまった。
高校生…16歳にもかかわらず家を出ていかされた。
両親…そして社会から見捨てられ、路銀も尽きそうになった時、政府のある計画が耳に入った。
――『幻想郷破壊計画』――
それが政府のプロジェクトの名前だった。
その話を聞いていくと、なんとこの世の何処かに普通は入れない場所があるというではないか!
しかも、そこに行ける装置は完成しているらしい。
瞬間的に私の居場所は、そこしかないのだと思った。
そこで私は、夜な夜な忍び込んで幻想郷に逃げてやろうと思ったのだ。
私は白衣を着ているためか、何も言われずに奥の部屋についた。
装置を操作する。
何十にもプロテクトされているが、元々科学者を目指していた身からすると、こんなのは甘い。
プロテクトを解除し、起動しようとすると、警告画面が出る。
曰く、この装置は一度使えば再開発するのに百年ぐらいかかるそうだ。
「百年?…ハッ。そんなの知らないわ。」
私は装置を操作し、ゲートを開く。
瞬間、爆音のアラートが響き渡った。
「誰だ!」
と、衛兵が出てくる。
「じゃあね?」
それに構わず私はゲートに入る。
私がゲートに入った瞬間、ゲートは消失した。
目を覚ます。
森の中。
自分のちょっとだけ短いツインテールが顔にかかる。
私はそれを振って立ち上がる。
不気味な雰囲気を纏っている。
あたりは夜。
「…何かが出てきそうなのだけれど…」
と、不謹慎な事言っていたからなのか。
『ガルル…』
と。獣の鳴き声が聞こえた。
「え?」
声が聞こえた方向を見る。
とめどない不安を抱えて。
そこには影のように歪んだ獣が居た。
「えっと…」
私は何をしたらいいのかわからなくて立ち止まった。
その瞬間を見計らって獣が襲いかかってくる。
私は固まる。頭が真っ白になってしまう。
あぁ。無理なのか。
ここで私は死ぬのか。
何も動かない私に対して、獣は飛びかかってくる。
獣が眼前に迫った時。
空から金色の鎌が降ってきた。
それは眼の前で獣を断ち切った。
それには札が貼ってある。
そこにはこう書かれていた。
――『博麗』
この鎌が飛んできたのは偶然なのか。
はたまた意図されたことなのか。
しかし分かることは、この鎌は獣を倒せるということだ。
私は鎌を持つ。
すると、不思議な光の奔流が私の元へ流れ込んで来た。
その光の全てが私に取り込まれた途端、
『ガァ!」
と、獣が襲いかかって来た。
私は咄嗟にガードする。
『ビリッ』
と、『博麗』と書かれた札が破れる。
それでも私はお構いなしに獣に、鎌を一閃。
『ビギャッ!」
「ふぅ…一刀両断…ってね。」
と、言っていると、
「あれー?どこだー?この辺に落ちたはず…」
「ちょっと魔理沙!何やってんのよあんた!失くしたらただじゃおかないんだからね!私の大切な『新型オプション』!」
上から声が聞こえてきた。
私は咄嗟に隠れる。
「おっと。あそこに気配がするわ…行ってみましょう。」
「了解。」
…どうやら見破られたようだ。
仕方なく、私は臨戦態勢に入る。
さっきの一戦で鎌の要領は大体掴めた。
『スタッ』
と、二人が降りてくる。
片方は赤い脇だし巫女で…って、脇出してたっけ?巫女って。
もう片方は魔法使いのようだ。
「お前…誰だ?」
「…」
私は何も答えない。
だって、おそらく私は無断で入った者。
おそらくここに入るためには賢者やらなんやらの力がいるのだろう。
「…ま、あんたが何も言わないならいいけど。どうせ紫からは何も聞いてないし。しかも最近外の世界のやつが『幻想郷』を破壊するって言ってたって紫が言ってたわ。おそらく貴女もその一員。違う?」
――『幻想郷破壊計画』――
あのプロジェクトの名前はそうだった。
だから政府は、ここを破壊…もしくは植民地化して労働力にしようとしたのだろう。
…なんと酷いことを。
「私は…確かにその世界から来た。しかも、そいつ等の機械を使って。でも、私は正直逃げてきただけなの。」
「問答無用!私の感があんたは危ないって言ってるわ。何より、私のオプションを持ってる!」
えぇ。話を聞いてくれたっていいじゃないか。
そんな事を思うまもなく。
「あんたを退治するわ!」
と、赤い脇だし巫女服が自分にお祓い棒らしき物を向けてそういったのだった。
はい。幻想入りした紅葉さん。
そして謎の巫女に勝負を仕掛けられます。
どうなるのか?
…というよりあの鎌は誰にもらったのでしょうか。
それではばいなら!