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仲間

私が目を覚ますと記憶にない天井が目に入った。


 「ああ、私、転生したんでしたわ。」


 確か、レナにステータスの見方を教わっていたハズだ。


 扉をノックする音が聞こえたので入出を許可する。


 「お嬢様、無事そうで何よりです。とりあえず旦那様と奥様には『また倒れてしまった』ということだけ伝えてあります。」


 「ありがとう、レナ。本当に申し訳ないわ。」


 「いえ、確かに無茶振りされることはありますけれど、それでも私はお嬢様のことが大好きですから。」


 レナがこんなにも私のことを思ってくれていたなんて思ってもみなかった。……なら、私の秘密を言っても大丈夫だろうか……。それに専属メイドであるレナにはいずれ感づかれる可能性もあるし、協力者がいないとできることも限られてくる。あ、私の勘も大丈夫と言っているような気がする。


 「ねぇ、レナ。貴女になら私の秘密を明かしてもいいと思うの。信じていないと言う訳ではないけれど、もしものために契約魔法を使うことになる。どうする?」


 レナが力強くうなづいて見せたのを見て私の秘密を話し出した―――――。





 「なるほど。つまりお嬢様は異世界で生きていたという前世の記憶があり、そこにあったゲームとこの世界が似ていて、そこでのお嬢様はヒロインという役割を持つ女の子をイジメたせいで断罪されたのでそれを避けたいと?」


 「ええ、そうよ。私がヒロインをイジメなければいいんだけど、こういうのってヒロインに転生した子が好き勝手しまくるっていうことがあるかもしれないから協力者が必要なのよ。」


 実際、最近のラノベでは悪役令嬢モノが増えてきているからね。

 そう考えていると、レナがきれいなカーテシーをした。


 「お嬢様専属メイド レナ・アスリア。我らが精霊王の名のもとに私がお嬢様の専属メイドである限り、お嬢様に忠誠を誓います。」


 精霊に守られているといっても過言ではないこの国にとって、精霊王に誓うということはまさに命をかけるに等しい。しかも本当に破ると罰を与えられるので初めて知ったときは驚きでしたわ。つまり、レナがこうやって忠誠を誓ってくれたということは絶対の信用が持てるということだ。


 「これからもよろしくお願いいたしますわ!」


 私はそう笑顔で言った。





 「それでね?どの対処法にするとしてもまずはお父様とお母様と話して仲良くなるってことが必要なのよ。」


 「ああ、だからそれで急にステータスの見方をこっそり教えてと言われたのですか。もしルドラーク様の手の者が襲ってきたとしても自分を守れるように。そういうことなら、私も協力させていただきます。まあ、別にバレたとしても注意ぐらいで終わりますしね。」


 やったわ!これで比較的安全に動けるはずよ!と、私は小さくガッツポーズをした。


 「それでステータスはどんな感じだったのですか?」


 ああ、そういえば気を失う前はステータスを見ていたんだっけ。


 「確か……。全属性で、あと気絶する前には見えたはずの称号がなりかけの悪役令嬢というのと、もう1つの方は今は文字化けしているわ。」


 私はステータスを見ながらそう言った。

 すると、レナがひどく驚いた表情をして叫んだ。

 

 「普通は二属性だけでもとっっても珍しいのですよ!!」



 レナから全属性がいかに貴重なのかをずっと教えてもらった後、もう一つの方が何かということに移った。


 「それで後は文字化けした謎の称号の方ですか……。」


 「巫女という言葉だけは覚えているのですけれど……。思い出そうとすると頭痛がしてさえぎられる感じがするのですわ。」


 これ以上考えても無駄になるだろうということで、今日はもう終わり、寝ることにした。



 ネグリジェに着替え、天蓋付きのベッドに横になる。

 寝る前に、攻略対象について考えてみることにする。

 この乙女ゲームには攻略対象が4人、隠し攻略対象が1人の計5人いる。しかも、王族、公爵家子息、騎士団長の息子、賢者、そして精霊王だ。

 見てのとおり、公爵令嬢である私には全員避けては通れないのだ。精霊王はともかくとして。

――――――――――

 攻略対象1人目

 ライティア精霊王国・王太子 オールディール・フォン・ライティア。

 オールディールはゲームで一番メインの攻略対象だ。メルティア()の婚約者であり、光属性と火属性を持った人物だ。因みに私とはお披露目パーティーでほぼ強制的に婚約者にされている。まさに王道という感じの優しく、正義感を持った王子様で、スピナイでは、次期・王太子としての期待という重荷のせいで疲れた心をヒロインが癒したことで恋に落ちる。もともとヒロインのことが気になってはいたが。ヒロインとは同い年。

――――――――――

 このオールディールルートに入ると、メルティアはドルドス大森林調査隊の特殊部隊に入ることになる。

 ちなみにこのドルドス大森林とは。簡単に言うとこの世界にいる魔獣の発生源だ。魔獣は人間の【負】の感情から生まれる。つまり、ドルドス大森林は‟溜まりやすい”場所なのだ。


 ライティア精霊王国は、この‟溜まりやすい”理由を知るために、長年調査を続けていると言う訳だ。でも、騎士団をそのまま向かわせるわけにはいかないので出来たのが特殊部隊だ。特殊部隊は死刑になるぐらいの大罪を犯したけれど、ワケアリで死刑にするわけにはいかないという人たちを集め、ドルドス大森林へ通信魔道具をもって向かわせるという実質・死刑という新しい罰が誕生したのだ。


――――――――――

 攻略対象2人目

 ライティア精霊王国・ライトバード公爵家子息 レアフ・フォン・ライトバード。

 9歳の時にライトバード家に養子として入った。だが、姉であるメルティアに虐められ、時には暴力までふるわれることもあり、完全に心を閉ざした氷の公爵となった若き天才。12歳になり、レーヴェルタ精霊魔法学院に入学しメルティアに怒鳴られていた時にヒロインに助けられ、だんだん心を開くようになった。因みに好感度がMAXになると、甘々に甘えてきたり、独占欲強めになる。ヒロインの1個下。

――――――――――

 このレアフルートに入るとメルティアは婚約破棄され、ライトバード家を追放される。

――――――――――

 攻略対象3人目

 ライティア精霊王国・騎士団長の息子 ダルクス・フォン・アスファン。

 現・騎士団長の息子ということもあり、剣の英才教育を受けたため根っからの脳筋、かと思いきや、とってもネガティブ。それを悟られない様に普段は無口。ヒロインに悩みを打ち明けてからヒロインを意識するようになる。ヒロインとは同い年。

――――――――――

 このルートに入るとメルティアは、婚約破棄後、国外追放となる。

――――――――――

 攻略対象4人目

 ライティア精霊王国・賢者 エリックス・オーグスタ・ロンド。

 元・平民で、14歳という若さで国一番の精霊魔法使いという意味を持つ‟賢者”に選ばれた。いつもにこにこ笑っていて、チャラい。女好き。正直言って嫌い。でも、そうなった理由をヒロインに聞いてもらってからおとなしくなった。エリックスルーとを選ぶと、重~い愛を貰う。ヒロインとは5歳差。ヒロイン入学時には既に6年生。

――――――――――

 このルートに入ると、婚約破棄後、国王陛下公認の雷がメルティアを襲う。死にはしないが、全身に傷跡が残り、一生外に出られなくなる。

――――――――――

 隠し攻略対象

 精霊王 ディケード

 この世界にいる精霊を統べる存在。【精霊たちの巫女】を選ぶのはこの人。このルートに入ると、別次元にあるという精霊界に行けるようになる。因みにちゃんと結界を張る仕事はする。

――――――――――

 このルートに入ると、メルティアは大分ひどいやり方で殺される。


 これを見て分かるように、どのルートに入ってもメルティア()はヒロインをイジメるのだ。どうしてかというと、最初の方は攻略対象達が王太子と一緒にいるときにしか会えないし、そうなると、王太子の好感度も必然的に上がるのだ。それでイラついたメルティアがイジメをして、さらに【精霊たちの巫女】という肩書きとその性格のおかげでみんながどんどんヒロインを構うようになるため、もっとイジメがエスカレートする。


 はぁ、これから私はどうなるのだろうか……。と考えるうちに、眠気が襲ってきたのでその日はもう就寝した。

 攻略対象について書いていたら大分長くなっていました。スミマセン

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