4/12
放送室
野蛮な男子には分からないのよねーこの良さが。
今日、森永さんと一緒に遊ぶ予定を考えながら、アナウンスをする。
先生の用意した、原稿に目をサッと通すと、空で「このメロディーは古き良き音楽です」
森永さんは帰るのが速いから、授業が終わったらすぐに支度をしなければ。
私はひととおり仕事を終えると、教室に戻る。
とくめい希望には分かるだろうか、彼はお金持ちだから、分かってくれると良いな。
「生き物係は支給、職員室に集まって下さい」
そして、私は遅れて、席に座ると、隣の席のとくめい希望にこう言った。
「あなたさぁ、どうしてどうしてそんな服着てるの?」
「お母さんの見立てだよ」
「教科書貸してくれてありがとう」
少しだけ、私は羨ましくなってしまう。
私の服のコーディネートは全部自分で選んだものだからだ。
「あなたはお金持ちだけど自主性が無いのね」
そう言われて奴は少したじろいたようだ。
「…そうだな…」