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活躍
「うぁ、びっくりした」
男子たちは立ち上がると、
「何だ!!あの変化球は!!」
「回転しながら、教室をぐるりと回って先生のところに行き着いたぞ!!」
「まーな!!オレの必殺ドッヂボール奥義、名付けて『スクリューペインティングドライブボール』!!」
男子たちは憧れの視線を投げかける。
「とくめい希望、お前すごいな!!」
「どうしたら、そんな芸当が出来るんだ?」
「ちょっと男子止めてよね」
まったく、どうして男の子ってそんなに乱暴なのかしら、私の役目を全然理解しようとしない。
「でも、どうして、とくめい希望なのかしらね」
そいつは私の席に自分の席をくっつけると、
「オレ、教科書持ってきてないんだ。見せてくれる?」
「次の授業は、体育よ。もうすぐ外に出られるわ」
「そっか…」