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TCG バトル・ガーディアンズ  作者: あんころもちDX
第1章・学園編
17/66

BATTLE:006【決着! タッグバトル!!】

「ターンエンドだ」


 ゴウキのターンが終わり、続いてカイトのターンである。


「俺のターン、メインドロー!」


 しかし、【インセクト・ハーム】のアタックアビリティによってフォースが回復しない。


「手札を1枚フォースチャージして、更に追加ドロー!」


 回復しなかったフォースと未使用のフォースが1枚ずつ。

 バトルフェイズを開始する際にはフォースを1枚消費しなければならないため、このターン中はフォースを消費してガーディアンを召喚することはできない。


「だが、やりようはある!」


 だがカイトの瞳に、諦めの感情などなかった。


「手札からドメインカード【ディヴァイン・サンクチュアリ】を発動!!」



【ディヴァイン・サンクチュアリ】

【起】(COST:自分の手札のSF【2】以下のガーディアンカードを1枚選んでジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、この効果でジャンクゾーンに送ったガーディアンカードのLPの半分の数値だけ、あなたは自分のアタックガーディアンをリペアする。



「【ディヴァイン・サンクチュアリ】の効果発動! ディヴァイントライブの力の源である手札を捨てる事で、リペアさせる!」


 リペアとは、DGの値を減少させる効果のこと。

 DGが減少すればその分だけ、LPが増加する。

 カイトは横目でイクサの手札を見る。

 カイトの視線に気づき、イクサは自分の手札を見る。

 タッグプレーヤーが共有できるのは、チャージゾーンとジャンクゾーンと、そして……手札。


(なるほど、そういうことか!)


 イクサはカイトに頷き、自分の手札を1枚選んでジャンクゾーンに送る。


「俺が手札を1枚捨てるよ、カイト!」


「ああ。お前のガーディアンの力、しっかり受け取るぜ!」


 カオストライブはアタックアビリティを1つしか持たない代わりに、LPが平均以上に高く設定されている。

 イクサが捨てたのは【カオス・ソード】。

 SF【2】で、LPは2500。

 通常、SF【2】のガーディアンの平均的なLPは2000である。

 LPが大きければ、当然回復する数値もより大きい。


「よって、【ディヴァイン・シールダー】のLPは1250回復する!」


「なんだと?!」


 ゴウキは目を見開いた。


【ディヴァイン・シールダー】

DG【500→-750】

LP【500→1750】


「サイコロを振る!」


 カイトが振ったサイコロの目は……【2】


【ディヴァイン・シールダー】

【1】【3】【5】……相手のアタックガーディアンに300のダメージを与える。

【2】【4】【6】……相手のアシストガーディアンに1000のダメージを与える。相手がバトルフェイズ中にカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。



「フォースを1枚消費して、バトル!! 【ディヴァイン・シールダー】のアタックアビリティにより、【ミラージュ・スパイダー】に1000のダメージを与える!」


 【ディヴァイン・シールダー】は飛び上がり、【ミラージュ・スパイダー】に自身の盾を投げつけた。


〈ハァァァ!!〉


〈キシャアァァァァ!!〉


 盾が【ミラージュ・スパイダー】に命中した。


【ミラージュ・スパイダー】

DG【0→1000】

LP【1000→0】


 【ミラージュ・スパイダー】はジャンクゾーンに送られた。


「【ミラージュ・スパイダー】、撃破!! そしてバトルフェイズ中にカウンター効果が発動されなかった事により、カードを1枚ドローする!」


 カイトはカードを1枚、ドローして手札に加えた。


「ターンエンドだ」


 カイトのターンが終了したことにより、【インセクト・ハーム】のアタックアビリティの効力が消え、フォースが1枚回復した。


「俺のターン、メインドロー! フォースチャージして、更に追加ドロー!!」


 さて、どうするか。

 イクサは手札を見る。

 たとえ体制を立て直せたとはいえ、流石にもう下手に攻撃はできない。

 勝利に急げば急ぐほど、自分の首を絞めてしまう結果になるだろう。

 しかし早くしないと、もしかしたらナミに何か危害が加わるかもしれない。

 そうやって焦りが生じ、マトモに思考することすら難しい。

 すると、


「なあ、イクサ。今、ちゃんとカードゲームを楽しめてるか?」


「……え?」


 カイトに唐突に話しかけられ、イクサは目を丸くする。

 やがてカイトの言葉を理解し、眉間に皺を寄せる。


「楽しめるわけないだろう!」


「そうか? 俺は割りと楽しんでるぜ。この負けるかもしれない状況をどう覆すか、そう思ったらワクワクしないか?」


「何をそんな悠長な……早くしないとナミが――」


「へいへい、それは分ーってるよイクサ。早乙女さんを助けたいのは俺も同じなんだから」


「だったら、なんでそんなこと……」


「ん〜? そんなの、まーたお前が何か難しいことを考えてる顔してるからだよ。ほれ!」


 カイトはイクサの眉間を指で小突く。


「こーんなに皺寄せてさ。そんな難しいことでもないだろ。今の俺達がやることは只一つ。このバトルを勝つ! それだけ考えてりゃ十分だ」


「このバトルを、勝つ……」


「そうだ。勝てなかったら、元も子もないだろ」


 カイトは「フーッ」と一息吐く。


「カードゲームってのにはな、理屈なんていう難しいものは必要ないんだ。勝つのに必要なのは3つだけ」


 そう言うと、指を三本立てる。


「1つ、カードを信じること! 2つ、バトルを諦めないこと! そして3つ、ゲームを楽しむこと!」


 カイトは小さく笑う。


「カードゲームってのは楽しんだもん勝ちだ。だから純粋に楽しめばいい」


 そしてイクサの肩に手を置く。


「それでも苦しい時は、周りをよく見ろ。隣には俺がいるんだ、困った時こそお互い様、だろ?」


 そう言って、自分の手札からカードを1枚選んでイクサに突き出す。


「カイト……」


 イクサは、自分の力を過信しすぎていたかもしれない、そう思った。

 今は二人で協力しなければいけないにも関わらず、自分自身の力のみでどうにかしようとしていた。

 カードゲームを、全く楽しんでいなかった。

 カイトの言うように難しく考えることはない。このバトルに勝つ。それだけで良い。

 相手が連携してきている以上、こちらも互いの意識を合わせなければならない。

 カイトと同様に、まずはゲームを楽しもう。


「……カイト、ありがとう」


「何がだ? 俺は当たり前のことを言っただけだぜ?」


 カイトは心底不思議そうに首を傾げる。

 その様子に、イクサは小さく笑う。

 ああ、これがカイトだな。

 そう思う中で、消えかけていた闘志が戻ってきた。


「カイト。このバトル、必ず勝つぞ!」


 イクサはカイトが突き出していたカードを受け取り、覚悟を決める。


「ああ。んじゃまあ、まずはこのターンから制することにしようぜ?」


 どうやら二人共、完全にスイッチが入ったようだ。

 イクサはカイトから受け取ったカードを見つめる。

 カイトから借りた力。勝つために手にした、仲間の力。


「サモンフェイズ!」


 自分のフォースとカイトのフォースを消費し、カードを掲げる。


「フォースを2枚消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・ジェネラル】を召喚(サモン)!!」


 大斧を持った青い甲冑の戦士が出現した。

 しかし【ディヴァイン・ジェネラル】はカオストライブではないため、魂の継承(ソウルサクシード)はできない。よって、【カオス・シューター】と【カオス・ロアー】はジャンクゾーンに送られてしまった。

 因みに、それまで下にアンダーカードを置いていたガーディアンカードがジャンクゾーンに送られると、アンダーカードも一緒にジャンクゾーンに送られる。


【ディヴァイン・ジェネラル】

SF【2】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【2000】

LP【2500→500】


「【ディヴァイン・ジェネラル】のポテンシャルアビリティ発動!!」


【ディヴァイン・ジェネラル】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(あなたのセットフェイズ開始時)

 ┗1ターンに一度、あなたの手札が8枚以上ならば、このカードは1000リペアする。



【ディヴァイン・ジェネラル】

DG【2000→1000】

LP【500→1500】


 イクサとカイトの手札はそれぞれ4枚ずつ。合わせて8枚。

 手札の共有であるからこそ、この効果が最大限に活かせる。


「ダイスステップ、サイコロを振る!」


 イクサのサイコロの目は、【5】。


「【カオス・チャージャー】のアシストアビリティにより、フォースを支払わずにバトルフェイズ!」



【ディヴァイン・ジェネラル】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】……手札が8枚以下なら、相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与え、9枚以上なら、250のダメージを与える。



「【デスドラザウルス】に1000のダメージを与える!」


 【ディヴァイン・ジェネラル】は大斧を【デスドラザウルス】に向かって投げ飛ばした。


〈フンッ!!〉


 大斧が【デスドラザウルス】に命中した。


〈グギャアァァァ!!〉


【デスドラザウルス】

DG【0→1000】

LP【1500→500】


「これで形成逆転、ターンエンド!」


 そして、【ミラージュ・スパイダー】によって封じられていたイクサのフォースが1枚回復する。


「チッ、何だか知らないけど、あまり調子に乗らないことね。私のターン、メインドロー!!」


 ダイナのターンだ。


「フォースチャージして、追加ドロー! 更に手札からアシストガーディアン【ジュラシック・アーミー】を召喚(サモン)!!」


 背中に刀や銃を背負った、小さな恐竜が出現した。


【ジュラシック・アーミー】

SF【0】

GT【ノーマル/アシスト】

Tr【ジュラシック】

DG【0】

LP【600】


「【ジュラシック・アーミー】のアシストアビリティを発動!!」


【ジュラシック・アーミー】

【アシストアビリティ】

【起】(COST:自分の手札を1枚選んで、裏状態で自分のチャージゾーンに置く)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。この効果で置いたカードは、自分のエンドフェイズ時に表状態にする。この効果は1ターンに一度しか発動できない。



「このカードを、チャージゾーンに裏向きで置くわ」


 フォースを裏状態でチャージゾーンに置いた。

 これで次のターン、ゴウキはSF【3】のカードが召喚できることになる。


「さあ、サイコロを振るわよ!」


ダイナのサイコロの目は、【6】


【デスドラザウルス】

【2】【4】【6】……相手のアタックガーディアンに、500のダメージを与える。

【1】【3】【5】……相手のアタックガーディアンに、250のダメージを与える。



「フォースを1枚消費して、バトル! 【ディヴァイン・ジェネラル】に500のダメージを与えるわ!!」


 【デスドラザウルス】が【ディヴァイン・ジェネラル】を踏み潰した。


〈グオォォォォ!!〉


〈グッ!!〉


【ディヴァイン・ジェネラル】

DG【1000→1500】

LP【1500→1000】


 しかし、まだジェネラルは【デスドラザウルス】よりLPが500高い。

 まだまだ大丈夫だろう。


「ターン、エンドよ」


「ダイナ、上々だ。奴らは勢いづいてきたようだが、やはりまだ甘い。俺のターン、メインドロー!」


 ゴウキは手札にカードを加える。


「お前達では、我々の連携は崩せない。フォースチャージ! 追加ドロー!!」


 加えたカードを見て、ニヤリと笑う。


「それをこれから教えてやろう。フォースを3つ支払い、アタックガーディアン【ワーム・ストライク】を召喚(サモン)!!」


〈キチキチキチィ!!〉


 耳障りな羽音を響かせる巨大な蟲が現れた。


【ワーム・ストライク】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【インセクト】

DG【0】

LP【2500】


「じわりじわりと、命が削られていく恐怖に絶望するがいい。サイコロを振らせてもらおう!」


 サイコロの目は、【4】を示した。


【ワーム・ストライク】

【1】【2】【3】……相手のアタックガーディアンに500のダメージを与える。

【4】【5】【6】……相手のアタックガーディアンに【寄生能力(パラサイトアビリティ)】を付加する。


「フォースを1つ消費し、バトルだ」


〈キチキチキチィ!!〉


 【ワーム・ストライク】は【ディヴァイン・シールダー】の背後に飛び付く。

 そして、針状の尾を【ディヴァイン・シールダー】に突き立てた。


〈うぐぉ?!〉


 【ディヴァイン・シールダー】の体内に何かが注がれていく。

 ……おぞましい光景だ。


【ディヴァイン・シールダー】

DG【-750】

LP【1750→875】


「なっ、なんでLPが減っているんだ?!」


「これこそが、【ワーム・ストライク】が【ディヴァイン・シールダー】に付加させた寄生能力(パラサイトアビリティ)だからだ! トライブアビリティ発動! 行動不能の恐怖アンムーブメント・フィアー!!」



【ワームストライク】

【トライブアビリティ】

【自】(相手のアタックガーディアンが寄生能力(パラサイトアビリティ)を付加された時)

 ┗相手のアタックガーディアンは以下の効果を得る。

寄生能力(パラサイトアビリティ)

【永】

 ┗1ターンに一度、自分のアタックガーディアンのLPは半分にダウンする。



「クククッ。相手のLPが高ければ高いほど、この効果は絶大だ」


「くっ、そんなの……次のターンに別のガーディアンを召喚すればいいだけの話だ!!」


「ほう……。ならばターンエンドだ」


「俺のターン、メインドロー!」


「この瞬間、寄生能力(パラサイトアビリティ)が発動する!」


【ディヴァイン・シールダー】

DG【-750】

LP【875→437】


「くっ、フォースチャージして、更に追加ドロー!!」


 カイトは手札にカードを加える。


「フォースを3つ消費し、アタックガーディアン【ディヴァイン・パワード】を召喚(サモン)!!」


 イクサのフォース1枚とカイトのフォース2枚を消費して、剛腕を備えた青い甲冑の戦士が現れた。


【ディヴァイン・パワード】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【-750】

LP【3000→3750】


「サイコロを振るぜ!」


 カイトのサイコロの目は、【1】


【ディヴァイン・パワード】

【1】【3】【4】……相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与える。

【2】【5】【6】……相手の山札からカードを5枚、ジャンクゾーンに送る。



「フォースを1枚消費して、バトルフェイズ! 【ワーム・ストライク】に1000のダメージ!」


 【ディヴァイン・パワード】の鉄拳が【ワーム・ストライク】にヒットする。


〈ハアァァァア!!〉


〈グギュルルゥ!〉


【ワーム・ストライク】

DG【0→1000】

LP【2500→1500】


「これで俺はターンエンド!」


「よし、俺のターンだ。メインドロー!」


 イクサのチャージゾーンにはフォースが3枚。

 フォースチャージすれば、4枚となる。


「フォースチャージして、追加ドロー!! フォースを4枚消費して、アタックガーディアン【カオス・スマッシャー】を召喚(サモン)!!」


 黒い甲冑に身を包んだ戦士が出現した。


「【ディヴァイン・ジェネラル】とはトライブは違うけど、共に戦ってくれた仲間だ! その気高き魂は、【カオス・スマッシャー】に受け継がれる!! 魂の継承(ソウルサクシード)!!」


 【カオス・スマッシャー】に【ディヴァイン・ジェネラル】の能力が受け継がれた。


【カオス・スマッシャー】

SF【4】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス/ディヴァイン】

DG【1500】

LP【4000→2500】



「サイコロを振る!」


 イクサのサイコロの目は【4】


【カオス・スマッシャー】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】……手札が8枚以下なら、相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与え、9枚以上なら、250のダメージを与える。

【4】……相手の山札からカードを10枚、ジャンクゾーンに送る。



「【カオス・スマッシャー】と【ディヴァイン・ジェネラル】のアタックアビリティが発動!! デッキからカードを10枚ジャンクゾーンに送り、【デスドラザウルス】に250のダメージを与える!!」


 【カオス・スマッシャー】の手に【ディヴァイン・ジェネラル】の大斧が出現した。

 大斧は【デスドラザウルス】に投げ、手から念動波を出してデッキからカードを10枚、ジャンクゾーンに送った。

 大斧は【デスドラザウルス】に命中した。


〈グオォォォォ!!〉


【デスドラザウルス】

DG【1000→1250】

LP【500→250】


「ターンエンド」


「くっ、私のターン……メインドロー!」


 ダイナは苦虫を噛み締めた表情を浮かべる。


「ダイナ、案ずるな。我々の勝利は絶対だ」


「う、うん……」


 ゴウキに諭され、ダイナは深呼吸をする。


「……フー。手札を1枚、フォースチャージ。そして追加ドロー!!」


 追加ドローして手元に来たカードを見た瞬間、ダイナの表情が、一変した。

 二つの目が、冷たさを秘める。


「恐竜とは、生態系の頂点に君臨し、進化し続けたモノ達。それは、現代に甦っても尚、変わることはない!! フォースを3枚支払い、アタックガーディアン【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:01―】を召喚(サモン)!!」


 赤々とした、まるで燃えているかのような恐竜が、出現した。


【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:01―】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ジュラシック】

DG【1250】

LP【3000→1750】



「さあ、ヴォルケーノ。【ジュラシック・アーミー】を食しなさい! トライブアビリティ発動、自然の摂理ルール・オブ・ネイチャー!!」



【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:01―】

【トライブアビリティ】

【自】(このカードを召喚にしたアピアステップ時)

 ┗あなたは自分のアシストガーディアンを1体選んでジャンクゾーンに送り、自分の山札の上からカードを7枚をめくる。その中から【PHASE】と名の付く【ジュラシックトライブ】のガーディアンカードを1枚選んでフォースを支払わずに召喚できる。めくったカードはジャンクゾーンに送る。



〈ヴァァァァァァ!!〉


 【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:01―】は、後ろに控えている【ジュラシック・アーミー】に狙いを定め、食べ始めた。


〈グアァァァァ!!!?〉


 【ジュラシック・アーミー】の断末魔が木霊する。


「尊い犠牲によって、ヴォルケーノは進化する! デッキの上からカードを7枚をめくる!」


 7枚のカードをめくると、ダイナはニヤリと笑った。


「このカードをノーコストで召喚するわ。出でよ、【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:02―】!!」


 先程よりも赤く、進化したヴォルケーノ・レックスが出現した。


【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:02―】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ジュラシック】

DG【1250】

LP【6000→4750】



 一気にSF【6】のガーディアンが場に登場した。

 イクサ達の顔が蒼白になる。


「そんな……」


「嘘だろ……」


「フフッ、これで終わりだと思わないことよ。【ジュラシック・アーミー】の死は、決して無駄ではない! ジャンクゾーンに送られた時にアシストアビリティを発動するわ!!」



【ジュラシック・アーミー】

【アシストアビリティ】

【自】(このカードが【ジュラシックトライブ】のカード効果によってアシストゾーンからジャンクゾーンに送られた時)

 ┗あなたは自分の山札からカードを2枚ドローできる。



「よってカードを2ドロー。サイコロを振るわよ」


 ダイナはサイコロを振った。

 【3】

 なぜかそれが、イクサには死刑宣告のように感じられた。



【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:02―】

【1】【3】【5】……相手のアタックゾーンとアシストゾーンに存在するガーディアンに2000のダメージを与える。相手がバトルフェイズ中にカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分のフォースを1枚選んで表状態にする。

【2】【4】【6】……あなたのフォースを任意の枚数選び、ジャンクゾーンに送る。そうしたら、その枚数だけ相手のフォースをジャンクゾーンに送る。相手がバトルフェイズ中にカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分の山札の一番上のカードをチャージゾーンに表状態で置く。



「全てを焼き尽くすヴォルケーノの灼熱の炎!! 喰らいなさい!!」


 ヴォルケーノが放つ炎弾が【カオス・スマッシャー】と【カオス・チャージャー】に命中する。


〈ぐあっ!!〉


〈うぐっ!!〉


【カオス・スマッシャー】

DG【1500→3500】

LP【2500→500】


【カオス・チャージャー】

DG【0→2000】

LP【1000→0】


 LPが0になったことにより、【カオス・チャージャー】がジャンクゾーンに送られてしまった。


「これで貴方は次のターン、SF【5】のカードは召喚できないわね!!」


 自信満々に言うダイナに対し、イクサは小さく笑う。


「そうでもないよ」


「なんですって……?」


「【カオス・チャージャー】はアシストアビリティだけでなく、ポテンシャルアビリティも持ってる。そしてそれは、ジャンクゾーンに送られた事で発動する!」


【カオス・チャージャー】

【ポテンシャルアビリティ】

【自】(このカードがジャンクゾーンに送られた時)

 ┗あなたは自分の山札から【カオストライブ】のカードを2枚まで選び、表状態でチャージゾーンに置く。



「俺はデッキからこの2枚のカードを選択し、チャージゾーンに置く!」


「そ、そんな!?」


 驚愕に顔を染めるダイナに、ゴウキが声をかける。


「落ち着け、ダイナ。そんなもの、フォースを封じればいいだけのこと。焦ることはない」


「そ、そうよね。……フー」


 ダイナは再び深呼吸をする。

 この深呼吸は彼女の癖なのだろうか。感情が高まるのを抑える時によく行なっている。


「私はこれでターンエンドよ」


「俺のターン、メインドロー!」


 続いてゴウキのターンだ。


「フォースチャージし、追加ドローする」


 カードを手札に加え、1枚のカードを握る。


「【PHASE】の名を持つのはジュラシックトライブだけではない。昆虫もまた、古代より進化し続けてきた種族。フォースを3つ支払い、アタックガーディアン【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:01―】を召喚(サモン)!!」


 黒光りする巨大なゴキブリが出現した。不快感MAXの容姿である。


【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:01―】

SF【3】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【インセクト】

DG【1000】

LP【3000→2000】



「ジェノサイドは自分のフォースを1枚封じることで、召喚できる。ポテンシャル発動!」



【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:01―】

【ポテンシャルアビリティ】

【永】

 ┗あなたは自分の裏状態のフォースを1枚選択することでこのカードを召喚できる。この効果で選択したフォースは次のあなたのターンのエンドフェイズ時まで表状態にできない。



「そして……」


 ゴウキはフォースを1枚裏返した。


「フォースを1枚消費する事で、デッキからカードを7枚までめくり、その中に【PHASE】と名のつくガーディアンを、ノーコストで召喚できるのだ! トライブアビリティ発動! 行動不能の恐怖アンムーブメント・フィアー!!」



【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:01―】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:あなたは自分のフォースを1枚選び、裏状態にする)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。あなたは自分の山札の上からカードを7枚めくり、その中に【PHASE】と名の付く【インセクトトライブ】のガーディアンカードがあれば、そのカードをフォースを消費せずに召喚できる。めくったカードはジャンクゾーンに置く。



 デッキからカードを7枚めくり、ゴウキは小さく笑う。


「ククッ。さあ、恐れおののくがいい。出でよ、【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:02―】!!」


 先程よりも、更に巨大で数段パワーアップしたようなジェノサイド・コッコローチが出現した。……キモい。


【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:02―】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【インセクト】

DG【1000】

LP【6000→5000】



「サイコロを振らせてもらおう!!」


 出た目は、【6】


【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:02―】

【1】【3】【5】……相手のアタックガーディアンとアシストガーディアンに2000のダメージを与える。相手がバトルフェイズ中にカウンター効果を発動しなかったら、裏向きのあなたのフォースを1枚表にする。

【2】【4】【6】……自分の手札を任意の枚数だけ捨てる。そうしたら、その枚数だけ相手のフォースを指定する。指定したフォースは、次の相手ターンのエンドフェイズ時まで表状態にできない。相手がバトルフェイズ中にカウンター効果を発動しなかったら、あなたは自分のフォースを2枚まで選び、表状態にする。



「戦宮カイト。貴様はこれで終わりだ! 俺は手札を4枚捨て、フォースを1枚消費してバトルだ!!」


「くっ……」


 ジェノサイド・コッコローチがカイトのフォースを封じようとする。


「そうはいくか! フォースを1枚消費して、カウンターカード【セットチェンジ】発動!!」


「なにっ?!」


 カウンターカードを発動させたのは、カイトではなくイクサだ。


【セットチェンジ】

FORCE【1】

【カウンター】

【自】(カウンターステップ時)

 ┗相手が発動したアタックアビリティの効果対象を変更する。ただし、ダメージ効果は変更できない。その後、あなたは自分の山札からカードを1枚ドローする。



「手札が共有されるってことは、こういう小技もできるってことだよね?」


「っ……確かに、可能だ」


 ゴウキは拳を強く握り締めてイクサを睨む。

 カウンターカードの効果処理を行われる。


「このカードの効果により、俺はジェノサイド・コッコローチの効果対象を無矢ゴウキ……お前自身に変更する! そして1ドロー!」


「そんな、バカな!!」


 効果対象が変更になったことで、ゴウキのフォースが4枚封じられた。


「ぬぅ……こんなはずでは!!」


「さあ、どうする?」


 イクサの問いに、ゴウキは苦虫を噛み締めた表情で告げる。


「くっ、……ターン、エンドだ!!」


「っよし! イクサ、サンキュー!!」


「いや、借りを返しただけだよ」


「ん? 借りって?」


「……いや、なんでもないよ」


 イクサは小さく笑い、カイトと互いの拳を軽くぶつけた。


「ちゃんと決めろよ」


「おうともさ! 俺のターン、メインドロー!!」


 カイトのターン。


「フォースチャージして、更に追加ドロー!」


 ドローフェイズと追加ドローで手にしたカードを手札に加えてサモンフェイズ時。


「俺はフォースを6つ消費して、アタックガーディアン【ディヴァイン・ナイト】を召喚(サモン)!!」


【ディヴァイン・ナイト】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【ディヴァイン】

DG【-750】

LP【6000→6750】


 青い甲冑を身に纏った騎士が現れた。


「そして、トライブアビリティを発動!!」


【ディヴァイン・ナイト】

【トライブアビリティ】

【起】(COST:自分の手札からカードを4枚選んでジャンクゾーンに送る)

 ┗あなたのターン、コストを支払うことで発動できる。そうしたら、あなたはこのターンはフォースを消費せず、ダイスステップを無視してバトルフェイズに移行する。相手のアタックガーディアンにX000ダメージを与える。(Xの値はバトルフェイズ開始時の自分の手札の枚数)



 【ディヴァイン・ナイト】が誇る大火力。


「手札を捨てるのは、俺だ!」


 そう言って、イクサは自分の手札を4枚、つまり全ての手札をジャンクゾーンに送った。

 カイトの手札は5枚。つまり……


「合計で5000のダメージを与える! 喰らえ、蓄積と解放チャージング・リリーズ!!」


「な……にぃ!?」


 【ディヴァイン・ナイト】の剣が光り輝き、ジェノサイド・コッコローチを一刀両断にした。


〈我が光の剣によって消え去るがいい!!〉


〈キィィィィ!!〉


【ジェノサイド・コッコローチ―PHASE:02―】

DG【1000→6000】

LP【5000→0】


 LPが0になったジェノサイド・コッコローチは、消滅した。


「そ、んな……バカなぁぁ!!」


「無矢ゴウキ、ジェノサイド・コッコローチ撃破! ターンエンド!!」


 イクサはカイトからターンを受け取り、ドローフェイズを開始する。

 流れは完全にこちらにある。このまま勝負を決めるべきだろう。


「俺のターン、メインドロー!」


 違う、このカードじゃない。

 イクサは眉間に皺を寄せる。

 チャージフェイズ中の追加ドローに賭けるしかない。


「フォースチャージして、追加ドロー!!」


 恐る恐るカードを見る。

 イクサは目を見開いた。


――来た!!


 勝負を決める切札を、イクサは引き当てたのだ。

 ダイナは「うぅ」と唸りながら、イクサを睨みつける。


「どんなカードを引き当てたかは知らないけど、このターンを耐えればまだ!」


 ゴウキが既に敗北した今、ダイナに残された選択肢はただひとつ。イクサの攻撃に耐えて次の自分のターンでイクサを倒すことである。こうなると、ダイナとカイトは互いの真正面に対戦プレーヤーがいなくなり、引き分けとなる。


「このターンで絶対に決めてみせる! フォースを6つ消費して、【守護龍 カオス・ドラゴン】を召喚(サモン)!!」


 混沌の彼方より飛来した、黒き龍が出現した。


「そして、魂の継承(ソウルサクシード)!!」


 カオス・ドラゴンに、【カオス・スマッシャー】と【ディヴァイン・ジェネラル】……全ての仲間の能力が受け継がれる。


【守護龍 カオス・ドラゴン】

SF【6】

GT【ノーマル/アタック】

Tr【カオス/ディヴァイン】

DG【3500】

LP【7000→3500】



「ダイスステップ、サイコロを振る!」


 サイコロの目は、【6】である。


【守護龍 カオス・ドラゴン】

【1】【2】【3】【4】【5】【6】……手札が8枚以下なら、相手のアタックガーディアンに1000のダメージを与え、9枚以上なら、250のダメージを与える。

【4】……相手の山札からカードを10枚、ジャンクゾーンに送る。

【6】………相手のアタックガーディアンにXのダメージを与える(Xの値は自分のジャンクゾーンに存在するカオストライブのカード×500)



「これで一気に決める! 俺のジャンクゾーンのカオストライブのカードは全部で8枚!!」


 カオストライブは魂の継承によって、本来ならジャンクゾーンに送られるガーディアンカードがジャンクゾーンではなくアンダーカードとなるため、能動的にジャンクゾーンのカードを増やせられない。

 ここまでカードが増えたのは、他でもないカイトのおかげだろう。ディヴァイントライブの効果でイクサが手札を捨てていたのは、全てこのためである。



「くっ…驚かせるな! 私のヴォルケーノのLPは4750、8枚なら合計ダメージは4000でしょ!!? それじゃあ、ヴォルケーノは倒されないわよ!!」


「忘れたのか? カオス・ドラゴンは、全ての仲間の魂を受け継いでいるんだ! そして、俺が振ったサイコロの目は、【6】!!」


「全ての……仲間? 【6】の目……あ、ああぁ……まさか……」


「そう。【ディヴァイン・ジェネラル】の【6】のアタックアビリティも発動している! そして、俺達の手札は合計で5枚。よって、さらに1000のダメージを与える!!」


 4000+1000、合わせて5000のダメージが、ヴォルケーノを襲う。


「これで終わりだ!!」


 カオス・ドラゴンから放たれた一撃が、ヴォルケーノに命中した。


〈グギャアァァァァ!!〉


【ヴォルケーノ・レックス―PHASE:02―】

DG【1250→6250】

LP【4750→0】


 攻撃が決まり、ヴォルケーノは消滅した。


「か、勝ったの……?」


「ああ……。俺達の勝ちだぜ!!」


 イクサとカイトは互いにハイタッチする。




◇◇◇◇◇



 喜び合う二人を見ながら、ダイナは溜め息を漏らした。


「……負けちゃったわね、ゴウキ」


「ああ。まんまとやられたな。さて、作戦は失敗、もう人質は必要は無いからな。奴らに電話するとしよう」


 ゴウキは携帯を取り出して通話ボタンを押すと、


〈頭ぁ……助けて下せぇ……〉


 なんともまぁ、情けない声が聞こえてきた。


「どうした?」


〈ちょっと脅しのつもりで襲おうとしたら、カードバトルでボコボコにされましたぁ〉


「バカか、お前達は……。っと、待て、もしかして……全員負けたのか?」


〈あいぃ……。お恥ずかしながら……〉


「そうか……。すぐに帰還しろ」


〈了解しました……〉


――ピッ、と切った。


「どうやら、聖野イクサの周りには、強いカードマスターが集まる傾向にあるようだな」


 ゴウキは楽しげに笑う。


「なに笑ってるのよ。私達、負けちゃったのよ? 作戦は失敗だし、ボスになんて言われるか……」


「そうだな。だが、面白い収穫だった」


 ゴウキは、イクサとカイトを見つめる。


「今年の全国大会は、相当荒れるかもな」


 その声は、確信に満ち溢れていた。


「あ、そうだ。無矢ゴウキ!!」


 すると、イクサがゴウキに怒りを込めて声をかけた。


「ナミは無事なんだろうな!?」


「それは保障しよう。もっとも、彼女への心配は杞憂だったようだがな」


「え?」


「いや、なんでもない。そこまで心配ならば、今から早乙女神社に向かえばいい。俺達はこれで失礼する」


 ゴウキは路地裏から去り、ダイナはイクサに声をかける。


「次は絶対に負けないから!!」


 そう言うと、ゴウキに続いて路地裏を去った。



◇◇◇◇◇



 取り残された、イクサ達二人。


「イクサ、どうする?」


「一応、早乙女神社に行くよ。ナミが心配だから」


「そうか……。じゃあ、俺も付き合うぜ、乗り掛かった船ってやつだ」


 互いに頷き、イクサ達は早乙女神社に向かうことにした。

 ここからそう遠くはない。

 軽く走れば、五分以内で着く距離だろう。



「なあ、カイト」


 走りながら、イクサはカイトに話しかける。


「なんだ?」


「カイトの言う通り、ゲームの後半は本当に楽しめた。余計な雑念が生まれないくらいに」


「だーから言ってんじゃん。恐いだとか失うだとか、そんなことなかっただろ?」


「……そうだね。でも、それを味わえたのは他でもカイトのおかげだ」


 ストレートに言われた言葉に対して、カイトは少し照れる。


「ま、まあ、そんなに感謝するなら? しかも迷いが晴れたなら? もちろん入部――」


「ごめん、それはもう少し考えさせて」


「……優柔不断め」


 互いに顔を見合わせて「プッ」と笑う。




――早乙女神社――



 そのまま到着。


「ナミ!」

「早乙女さん!」


 イクサ達が駆けつけると、


「な〜にぃ〜?」


 ナミは呑気にみかんをムシャムシャ食べていた。


「俺の心配を返せや、コラァ!!」


 イクサの心の奥底から沸き上がる怒りに、ナミは思わず戸惑う。


「え、え、何が?」


 なぜイクサが怒っているのか、そうしばらく思案していると、何かに思い至ったのか、ニヤニヤし始めた。


「え? ん? もしかして、イクサ……し・ん・ぱ・い、してくれたのかなぁ〜?」


「…………黙秘権を行使します」


「沈黙は肯定と見なします」


「……さすがにウザイぞ」


 イクサとナミがいがみ合っていると、カイトが二人をなだめる。


「まあまあ二人とも、そう喧嘩すんなって。それより早乙女さん、なんか変な男達に襲われなかった?」


「襲われかけた」


「「なにぃっ?!」」


「でも、カードバトルで追い払ったよ」


 ナミは巫女服の内ポケット(あるの?)からデッキを取り出して見せた。


「言ったでしょ? 私もバトル・ガーディアンズをやってる、って。前回は解説役だったけど、ここら辺で一番強いって自負してます……えへん!!」


「へー……」


 胸を張るナミに、カイトの目から闘志の炎が宿った。


「ここら辺で一番強い? へー、フーン」


「戦宮くん、なんか文句でも?」


 カイトはデッキを構える。


「そういうセリフは、カードバトル部・会計である俺を倒してから言ってもらおうか!!」


「おうおう、望むところなのだよ!!」


 メラメラと燃える二人。

 どことなく似た者同士だなと、イクサは思う。

 そこでふと辺りを見渡す。


「おいナミ、境内の掃除はやらなくていいのか?」


 結構、落ち葉とかで汚れている。というより、掃除したような跡が一切見当たらない。


「あ、イクサやっといて」


「はあ!?」


 ナミからホウキを手渡され、呆然とする。

 一方で二人は既にバトルの準備を始めており、イクサの入る隙がない。


(まあ、今回ばかりはいいか)


 唯一無二の幼馴染みがこうして無事だったんだ。

 掃除ぐらい、してやるとしよう。

 そう思いながら、イクサは境内の掃除を始めた。

【号外! フィニッシュカード特集!!】


カイト「よーし、勝ったぁ!」


イクサ「ナミの態度には辟易したがな」


カイト「とか言って、安心してるんだろ?」


イクサ「………。今回のフィニッシュカードは、【ヴォルケーノ・レックス】だ」


カイト「……はいはい。ま、ヴォルケーノはフィニッシュカードじゃないが、一応紹介するぜ」


イクサ「このカードは召喚時にアシストガーディアンを1体ジャンクゾーンに送らなければならない」


カイト「それだけじゃない。このカードは【PHASE】の名を持ち、【ジュラシック・アーミー】とのコンボで次のPHASEにへと成長してより強力なガーディアンになるんだ!」


イクサ「さて、次回はカイトとナミのバトルか」


カイト「イクサは掃除、頑張れよ!!」


イクサ「不本意だがな」


カイト「ってなわけで、次回は俺視点でお送りするぜ!」


 次回もお楽しみに☆

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