表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/22

第1章 最終話 また逢う日まで

ルシフェルが去った後のクロノス星は、冷たい雨に打たれ、荒れ果てた墓標のようになっていた。


本部広場の瓦礫の中に、ウカビルは力なく座り込んでいた。


全身の痛みよりも、胸の奥で燻り続ける虚無感が彼を責め立てる。


彼は、手元に転がる【ブラスターエクリプス】を強く握りしめた。


「……どうしてなんだ、ルシフェル」


誰もいない広場で、独り言が漏れる。


裏切り者だと分かっている。


ノヴァを殺した冷酷な仇だと理解している。


それでも、かつて共に過ごした日々が、脳裏で毒のように疼く。


彼女の最後の叫びは、悲鳴のようにも聞こえた。


「俺が……もっと強ければ。あいつの異変に気づき、あいつの背負っていたものを受け止めていれば、こんな結末にはならなかったのか……?」


ウカビルは唇を噛みしめ、拳を泥の中に沈めた。


力不足。


それが今の自分だ。


ルシフェルを止めることもできず、仲間を守ることもできず、ただ圧倒的な力と怒りに蹂躙されただけの自分。


裏切り者を憎むという感情の裏側に、守りたかったものを守れなかった、自分の弱さがどす黒く渦巻いている。


彼女を見た瞬間、ノヴァが脳裏に現れ、自制が効かなくなった。


「……いや。泣き言は終わりだ」


ウカビルは立ち上がり、泥を拭い去ったブラスターエクリプスを高く掲げた。


かつての友への未練を、強さへの渇望で塗りつぶす。


もはや感傷に浸る時間は残されていない。ルシフェルが「世界を滅ぼす」と言い放った以上、次に相まみえる時は、どちらかが倒れる時だ。


「俺は、必ず強くなる。あいつを……ルシフェルを止めるため、そしてこの星の、これ以上の犠牲を許さないためだ」


ウカビルの瞳に、復讐心だけではない、守護者としての冷徹で熱い意志が宿る。


自分自身の弱さを認め、それを乗り越えなければ、あいつには勝てない。


ルシフェルが宇宙へと消えた空を見上げ、彼は深く息を吐いた。


「待っていろ。次は、俺が必ず勝つ」


ウカビルは新たな決意を胸に、クロノス星を再建し、いつか訪れるであろうルシフェルとの決戦の日に向け、孤独な修行の旅路へと歩み出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ