ガンビーナファミリー壊滅!
ベルッチのソルジャーたちはクラウディアの背後で、マシンガンを構えながら進んでいる。
クラウディアと言えど、高出力のレーザーを長時間連続照射する事はできない。
3つある部屋のちょうど半分のあたりで、途中でクラウディアが立ち止まり、再びエネルギーをレーザーに集中させる。
クラウディアのレーザーが部屋の途中で止まり、部屋の全てに行きわたらなかったため、部屋の中には生き残ったソルジャーたちがいた。
何が起きているのか分からなかったが、自分たちが生き残った事だけは分かった。
お互い冷や汗を垂らしながら、顔を見合わせると、頷きあった。
ここで、こうしていても待つのは死だけである。
部屋の外で何が起きているのか分からないが、反撃するなら今しかない。
頷きあったソルジャーたちが、いちかばちかの攻撃に出るため、マシンガンを持って廊下に飛び出してくる。
ドタ、ドタ。
全力で走って飛び出そうとする足音が部屋の中から聞こえる。
その音に気付いたベルッチのソルジャーたちが、マシンガンを構える。
部屋から飛び出してくるガンビーナのソルジャーたち。
それを迎え撃つベルッチのソルジャーたち。
お互いを銃弾の雨が襲う。
次々に血の上に沈んでいくソルジャーたち。
数はベルッチ側にあった。
クラウディアは自分の背後で起きている銃撃にはお構いなしに、レーザーへのエネルギー集中を終えると、最後の部屋の壁辺りからレーザーを照射しながらゆっくりと進んでいく。
今度はその部屋の全てを焼切った。
クラウディアが右腕を元に戻す。
ベルッチのソルジャーたちが部屋の中に飛び込む。
その部屋の中も、地獄だった。
だが、その部屋に飛び込んだソルジャーたちは、すぐには出てこなかった。
その部屋のつくりは豪華であり、明らかに他の部屋とは違っていた。
ここがヴィクトルの部屋。そう感じたからであった。
部屋の中に入り、横たわる死体の顔を確認していくソルジャーたち。
足が折られ倒れたと思われる机の側に、数多くの写真が巻き散らかされている。
その近くに横たわる二人の男の死体。
一人はセルジオだったが、ベルッチのソルジャーたちには見知らぬ男でしかない。
そして、もう一人こそ、ヴィクトルだった。
「やったぞ!」
歓声が上がる。
その頃、クラウディアは廊下の反対側の部屋をレーザーで焼切っていた。
ヴィクトルの死を確認したソルジャーたちが、床に散らばる写真にセレンが写っている事に気付いた。
そのソルジャーはその写真をかき集めると、懐に入れ、持ち去った。
コミッションの一角だった五大ファミリーの一つ、ガンビーナファミリーを壊滅させ、その支配域を手にしたベルッチファミリー。
その勢いは弱小のファミリーはもちろん、五大ファミリーにさえ今まで以上の巨大な圧迫感を与え始めた。




