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化け物のように強い女のソルジャー

 焼け落ちたままのベルッチファミリーの屋敷の前をサンドロを乗せた車が通り過ぎる。

 勢力拡大中のベルッチファミリーだったが、ファミリーの本拠地は未だ焼け落ちたままである。


 「早くボスの座を決めなければ、ここの再建も進まない」


 サンドロがぽつりと言った。ボス亡き後、後継にオッタビアとサンドロの二人が名乗りを上げた。

 このベルッチファミリーの屋敷を再建する者。それこそが次のボスであり、お互いの牽制下で、再建は手つかずだった。

 この状況を打開するため、サンドロは自らの力を一気に拡大する必要性を感じていた。

 ガンビーナファミリーの壊滅。

 それを単独で成功させれば、次期ボス争いの勢いは一気に自分に傾く。


 「よし。ガンビーナにモニカを送りこむぞ」


 サンドロがガンビーナに向け、モニカを含めた襲撃部隊を送り込む事を決めた。



 今ではベルッチファミリーの勢力下に組み込まれているエルカーンの旧支配地域を通り抜け、サンドロの襲撃部隊がガンビーナの支配地域に入り込んだ。

 襲撃部隊が目指すのは、繁華街の一角にあるガンビーナの巨大カジノ。

 これまでのベルッチファミリーの攻勢で勢力を弱めているとは言え、五大ファミリーの一角である。まだ、その勢力は侮れず、支配地域のガンビーナに対する忠誠度は弱まってはいない。

 商店主たちを中心にしたその情報網は未だ健在であり、見かけぬマフィアを乗せていると思われる車列の侵攻は、ただちにガンビーナのボスの下に伝えられた。

 刻一刻と伝えられる情報に、ガンビーナ側からはその進路の先に迎撃部隊が送り出された。

 そんな二つの勢力が遭遇したのは大きな通り。

 その場で激戦が繰り広げられた。

 この戦いはモニカの活躍によりサンドロ側の勝利で終結したが、サンドロ側のソルジャーたちの被害も大きく、結局そのまま撤退することを余儀なくされた。


 ただ、この騒動を目撃していた市民たちから、ベルッチファミリーには化け物のように強い女のソルジャーがいると言う噂が広まって行った。


 マフィアを襲う謎の少女と、化け物のように強い女のソルジャー。

 この噂が広がると、やがてその真相に迫ろうと言う者たちを生み出して行く事になった。

 それぞれの思惑を秘めながら。

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