クラウディア 出撃
ガンビーナの屋敷では、ガンビーナファミリーのボスが上機嫌だった。
コミッションに名を連ねる五大ファミリーのボスとしては若い40代前半のスマートな男で、切れ長の目を持っていたが、満面の笑みで、その目はさらに細くなっていた。
「ははは。ベルッチを仕留めるとはな。
ベルッチの屋敷に銃弾をぶち込んで来いとは言ったが、ベルッチにぶち込むとはな。奴らも、これでしばらく動けんだろう」
少し暗めの印象がある部屋の中に、明るい笑い声が響きわたっていた。
ガンビーナのボスはその笑いを止めると、その表情を変え、真剣なまなざしで、自分の前に立っている腹心のラファエーレを見つめ、低い声で命令を出した。
「このまま、攻勢に出るぞ!
まずはオッタビアだ。こいつさえ始末すれば、後の若造たちは簡単だ。数を集めて人を送り込め!
指揮はお前がしろ」
ガンビーナはこの好機を逃すまいと、ベルッチファミリーとの戦いを一気に決しようと攻勢に出る事を決めた。
数十台にのぼる数の車がオッタビアの屋敷に向かって行く。
主力はオッタビアの屋敷の表から、そして敵の勢力を分散させるために裏側からも。
ラファエーレはそう言う作戦を立てた。
ラファエーレたちは表門を特別な装甲を施した車で突破した。これに続き、全車両がオッタビアの屋敷の中に突入していく。
敵襲。
瞬く間に迎撃の体勢が取られ、オッタビアの屋敷から次々とソルジャーたちが飛び出す。
窓からも銃口が差し出され、ラファエーレたちの車を銃弾が襲う。
ラファエーレたちも屋敷に向かって、銃弾の雨を浴びせる。
轟き続ける銃撃音。
それに混じって聞こえてくる怒声。
ラファエーレたちのソルジャーが放った銃弾が、屋敷の窓ガラスを次々に粉々にしていく。
その破片は部屋に戻っていたオッタビアの頬をかすめた。たらりと頬を流れる血を拭きながら、オッタビアはクラウディアに指示を出した。
「クラウディア!
攻めてきている奴らを皆殺しにしろ!」
クラウディアは、はいと答えると、着ていたドレス姿のまま部屋を出て行った。




