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ガンビーナファミリーの反撃

 ベルッチの屋敷を目指して、5台の怪しげな車が近づいていた。それらはどこから見ても、マフィアの襲撃部隊だった。

 5台の車はベルッチの表門に近づくと、屋敷に面した側の窓を静かに開けた。

 その開いた窓からマシンガンの銃口が一斉に突き出される。

 車で通り過ぎながら、ベルッチの屋敷の表門の前で、一斉に銃撃する。

 それが計画だった。

 ところが、先頭の車はなぜか停車した。

 その先頭車両の中の男、レオーネが言った。


 「耳を澄ましてみろ。

 聞こえるか?

 銃撃音と悲鳴が聞こえるぞ。

 何者かが、ベルッチの屋敷内で戦っている。

 仲間割れか?

 他のファミリーの襲撃か?」


 確かにベルッチの屋敷の中から、銃撃音が聞こえていた。

 レオーネが車から飛び出し、門に近づく。

 門は鍵で閉ざされていて、手で開けることはできない。

 レオーネが辺りをうかがっている。

 やはり中から、銃撃音と怒号、悲鳴が聞こえてくる。

 我々と同様、今がチャンスと思ったファミリーが攻め込んでいるのかも知れない。

 レオーネはそう判断した。

 レオーネは車に戻ると車で門を打ち破るよう指示した。

 アクセルが踏み込まれると、エンジンが野獣の咆哮のような唸りを上げ、門に向かって行く。

 頑丈な構造の車である。

 押し込まれるように門が開いた。

 開いた門から、5台の車が次々に乗り込んでいく。

 緑で満たされた敷地の中に多くの遺体が横たわっているのが、車の窓からも確認できる。


 「やはり襲撃か?」


 レオーネがつぶやき、視線をその先に移した。

 屋敷の窓からは男たちが銃撃を繰り返している。

 レオーネがその銃口の向けられた先に視線を移した。

 そこには、マフィア同士の抗争には不似合いなアジア系のマシンガンを構えた少女 あすかが一人いた。

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