際立つ射撃能力
アーシアは再び倒したソルジャーの手からマシンガンを奪うと、その銃口を屋敷の窓から銃撃してきているソルジャーたちに向けてトリガーを引いた。
飛散するガラスの破片が、陽光にきらめきながら、地上にソルジャーの血しぶきと一体となって降り注ぐ。
アーシアの銃撃の能力も際立っていた。
場所を高速に移動しながらの銃撃であるにも関わらず、的確にソルジャーたちの命を奪っていく。
屋敷の外からの銃撃も、窓からの銃撃も、瞬く間に沈黙してしまった。
真っ赤に染まる屋敷の敷地の中、アーシアが辺りを見渡す。
もはや、アーシアに攻撃を仕掛けてこれる者は誰一人いない。
後は屋敷の中で待ち構えているであろうソルジャーたちだけである。
アーシアが屋敷のドアにゆっくりと向かい、その扉の横に張り付いた。
アーシアが扉の鍵の部分に銃弾の雨を降らせると、低い銃撃音に交じって、金属が甲高い悲鳴音を上げた。
屋敷の内部ではソルジャーたちが銃口を扉に向け、トリガーに指をかけて、アーシアを待ち構えている。
アーシアがその扉を引いて開けた。
扉の動きに反応し、ソルジャーたちがトリガーにかけている指に力を込める。
お腹にもずしりと響く銃撃音が屋敷の小さなエントランス空間に響き渡る。
ソルジャーたちが放った銃弾は、屋敷の内部を守るべきはずの扉に容赦なく降り注ぎ、その防御力をそぎ落としていく。
やがて、扉は全開し、アーシアではなく、外のまばゆいばかりの陽光だけをエントランスに導き入れた。
ソルジャーたちが現れぬアーシアの姿にトリガーにかける指の力を緩めると、エントランスに再び静寂と緊張が戻ってきた。




