新たなヒューマノイドの起動
「これなら、特に直すようなものは無さそうだな。
残りの三体も起動しようではないか」
ボスはそう言い、オッタビア、サンドロ、チェーザレの三人に、やれ!と顔で合図を送った。
三人が頷き、移動を始める。
目指すのは三体のヒューマノイドが横たわる保管エリアである。
三人の後をボスとアーシアが歩いて行く。
原はその後姿を見送りながら、後悔にさいなまれている。
あの恐るべき殺戮兵器がさらに三体もマフィアの手に渡る。
原はその瞬間を見る勇気がなく、その場を動けずにいた。
三人が向かった先に、三人の美女が横たわっていた。
その服装はアーシアの最初がそうであったように、きらびやかなドレスに身を包んでいる。
閉じた目。
金色に輝く、長い髪。
三人がそれぞれのヒューマノイドの横に立つ。
男たちがそれぞれのヒューマノイドを起動すると、ヒューマノイドがゆっくりと大きな瞳を開いた。
顔を近くの男に向け、ゆっくりと上半身を起こすと、話しかけてきた。
「あなたが私のマスターですか?」
「そうだ」
男たちが答える。
それに応じ、それぞれのヒューマノイドが自らの名前を名乗った。
オッタビアのヒューマノイドはクラウディアと。
サンドロのヒューマノイドはモニカと。
チェーザレのヒューマノイドはセレンと。
その光景を確認したボスは満足そうに地下室を後にした。




