あすか vs クラウディア 最後の戦いへ
クラウディアの目にはその通路のかなり先に空間が広がっている事が映し出されていた。
神父たちはその先にあるもうひとつのコントロールルームの監視システムで、通路にクラウディアだけが入って来た事を確認していた。
クラウディアとあすかの一騎打ちを計画した神父たちの思い通りに事が進んでいた。
「あすか、クラウディアが来る」
その言葉に反応したあすかが銃を構えて、地下通路に姿を現した。
その姿をと言うか、何かが現れる変化をクラウディアは捕らえ、戦闘モードに移行していた。
暗闇の中、速度が遅いとは言え、それでもそれなりの速度で行動できるヒューマノイドが、あすかを目指して走り始める。
銃を構えたあすかの狙いはクラウディアの目である。
クラウディアの目を狙いトリガーを引くが、速い速度で走っているクラウディアの目に命中させることは至難の業である。
銃声と火花が暗く深い闇のトンネルの奥に響く。
あすかの放った銃弾がクラウディアの頬をかすめる。
瞬く間にあすかを間合いに捉えたクラウディアが、銃を持つあすかの右手を右足で蹴り上げる。
蹴りを放った右足が着地すると、クラウディは体をひねり、後ろ向きに左足でバランスを崩しているあすの側頭部を蹴り飛ばした。
あすかが闇のさらに奥に吹き飛ばされ、床に倒れこんだ。
クラウディアはあすかを倒したものと、クラウディアの意識があすかから外れ、暗闇に包まれた空間の中に向かう。
真っ暗な部屋の中を見渡し、倒れているあすかにクラウディアが背を向けた瞬間、あすかが立ち上がり、クラウディアに襲い掛かった。
クラウディアの防御行動も、暗闇の中ではあすかの動きに追いつかない。
もちろん、その相手の速度が人間レベルなら問題なかっただろうが、その時のあすかのそれはクラウディアのそれとほぼ同じだった。
あすかが背後からクラウディアを蹴り飛ばす。
クラウディアが今度は吹き飛ばされた。
壁に激突する合金ボディが激しく空気を揺さぶる。
地下通路の入り口で待機しているソルジャーたちには、奥で起きている事を把握する事はできなかったが、激しい戦闘が行われている事だけは察することができた。
クラウディアが負けるはずはない。
そう信じ、決着の時を待っている。
クラウディアの戦闘モードと互角で戦うあすかだったが、お互いの力は拮抗していて、言わば肉弾戦の状況では決着は容易にはつかない。
コントロールルームの中にいた神父の一人が、暗視スコープをロッカーから取り出しながら言った。
「原さん。後は頼みますよ。必ずロベルトさんの仇を取ってください」
「何をする気だ?」
神父は返事をせず、部屋の電気を消した。




