106.集める限界
王子様と工一さん達の探索は順調に進んだらしく、明日も探索に行くとの事だった。まぁそれはいい。そもそも、ゲームの時からエリアのクリアが最優先だったから。
私の方は地下倉庫の探索が出来ていないが、地下倉庫に設置してあるお掃除ロボットのごみを入れる紙パックがスマホの操作で入れ替えられるという事に気付いたので、地下倉庫の掃除もそれなりに進んでいるし。
という訳で、その翌日。転移1ヵ月25日目。
「やっぱり「フライングボード」を使うと早いな」
昨日の夜の思い付きを全部乗せして、ボロボロの剣の回収に飛び回っていた。やっぱりバッテリーの数と「パーフェクト・ステルスマント」の効果時間が問題になるけど、「フライングボード」の機動力なら、5分で1周できる=4本回収できるっていうのは本当に大きい。
まぁ5分(バッテリー1個)で1周できるって事は、そのたびに戻れるって事だし、何ならバッテリーを屋内で入れ替える事が出来るって事だ。やっぱり落ち着いた場所でやれる方がいいからな。
……その分だけあのボロボロの剣が追加されてるって事なんだけど。本当に何本あるんだ。
「かといって、こいつらの巣を探しても、このボロボロの剣の山がある訳じゃないんだろうなぁ……」
どこから持ってきてるんだろうな……? と首を傾げざるを得ないものの、6周=24本回収した所で一旦ストップする事に。たぶんキリないというか無限に回収できるなって思ったのと、流石にこれ以上は鞘を作る時間が足りないと思ったから。
そもそも宝石だって無限にある訳じゃないしなー、と思いつつ地下倉庫で鞘作りである。回収出来る時に回収できるだけ回収したいのは本音なんだが、まさかエリアの攻略が終わるまでずっと「木刀用武器袋」に入れておく訳にもいかないし。
「というか何でこんなにたくさんの「木刀用武器袋」が……? いや木箱に入ってたからだけど……」
一応布製品分類らしいんだよな、この「木刀用武器袋」。どうして袋ばっかりそんな詰め合わせかいっそワゴンセールの開始時点みたいな数が入っていたのかは分からないんだけど。
それはそれとして、地道にアルラウネの蔦で鞘を作りながら防衛戦に参加してたんだが、やっぱり回収自体は午前中の半ばで止めても、鞘作り自体は夕方ギリギリまでかかった。1本作るのに時間がかかるからなぁ。
でも鞘さえ作ってそこに入れておけば、じわじわ再生していく筈なんだ。再生というか綺麗になるというか。たぶん。ゲームの表現的に確か、そんな感じだった筈だ。
「大きさが1本1本違うから事前に作っておくって訳にもいかないし、大事になるのが分かってるから私の部屋からは出せないしな。かといって部屋の整理をしたところで、桐箪笥ばっかりそんなにあっても「何あれ?」ってなるだろうし。それも着物入れる用のやつ」
かと言って地下倉庫に入れておくって言うのもなー。実際の性能が直してみるまで分からないから、実質ガチャだし。ガチャは試行回数が命だ。まぁ余った所で、ちゃんと手入れした状態なら拠点同士を繋ぐワープポイントになるからいいんだけど。
そもそもの性能自体がものすごく高いからな。1本ずつ性能が違うんだから、まぁ数を集める方が間違いなくいいやつなんだ。置き場所と、鞘を作ってる時間が無いってだけで。
……いっそ魔法技術の結界系魔道具の1つで、中に入れたものを急速修復するやつでも作るか、と思ったんだけど、あれはあれで必要な素材がなぁ。いやまぁ日用品ぐらいなら今でも作れるんだけど……。
「修復結界の魔道具を作るにしても、あのボロボロの剣だと、それこそドラゴンの鱗を山にするぐらいの触媒と、倍ぐらいの山になる宝石が必要だからなー……」
なおそれでも、1本分の修復に必要な出力が確保できる、であって、まとめて何本も修復する事は出来ない。時間がかかるだけならいっそその方が都合がいいんだけどな。だってその間自由に行動できるって事だろ。
難易度が時間に変換されるのは、今作っている鞘なんだよな。そしてあの鞘は1本1本に合わせて削りださないといけない。
「本音を言うなら襲撃が来てる間は集める事に集中して、状況解決してから鞘を作る、ぐらいにしたいんだけど、流石にその間ずっとあの袋にいれて放置って言うのもな。どういう影響があるか分からないし」
まぁでも、今日はとりあえず寝よう。昨日夜更かししてるからな。
日中に鞘作りが間に合ったから、今日はしっかり寝れるんだし。




