81話 玉枝の脅し
朝、九郎が目を覚ますと玉枝が彼を抱き枕にしている。九郎は、色欲退散のため頭の中で、これは怨霊、これは怨霊、これは怨霊・・・と唱える。
玉枝が目を開け九郎に言う。
「おはようのキスはまだ。」「待っていてもしません。」
「でも体は正直よ。」「これは生理現象です。」
玉枝の色気は強力である。怨霊でなければ九郎は骨抜きにされていただろう。玉枝は起きて朝食を作り始める。
今朝の朝食は、フレンチトーストとかぼちゃのスープである。
玉枝が料理をテーブルに並べると九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が九郎に言う。
「私をおかわりしてもいいのよ。」「大丈夫、おなかいっぱいになるから。」
九郎は朝食を食べても下着のままでいる。玉枝もネグリジェ姿のままだ。今日は予定がないのでそのままでいる。
昼近くになるとインターフォンが鳴る。九郎が出るとあやめが来ている。
「あやめどうしたの。」「それより、九郎と玉枝さん、なんて格好しているの。」
「出かける予定がなかったから。」「本当にそお。」
あやめが九郎を白い目で見る。玉枝が面白そうに言う。
「九郎ちゃん、この格好好きなのよ。」「玉枝さん、嘘を言わないでください。」
「とにかく服を着て!」
あやめが2人に怒る。九郎は服を着て、玉枝はネグリジェ姿から服を変える。九郎はあやめに用件を聞く。
「あやめ、何か用事あったの。」「料理を玉枝さんに教えてもらおうと思って、お昼を作りに来たのよ。」
「あやめちゃん、食材は買ってきたの。」「なすとひき肉を買ってきました。」
「なすを使って料理しましょ。」「はい。」
あやめと玉枝は料理を始める。九郎は本を読みながらあやめを見る。結婚するとあやめがご飯作ってくれるのかなと考える。
九郎の場合、玉枝がいるから、今のような光景になるかもしれないなと思う。
2人は、なすとひき肉を炒め物のあんかけを作る。さらに卵スープを作る。
3人は、料理をテーブルに並べる。九郎とあやめは「いただきます」をして食べ始める。九郎が料理の感想を言う。
「おいしいよ。なすは脂と相性が良いよね。」「よかった。うれしいわ。」
あやめは嬉しそうに食べる。昼食を食べ終わるとあやめは九郎に言う。
「お父さんが婚約の話していたけど、私、急いでいないからね。」「うん、昨日から考えているけど考えがまとまらないんだ。」
「私じゃダメかな?」「僕は、将来、あやめと結婚したいと思っているよ。」
「うん、待っているね。」「あやめちゃん、そんなに悠長に構えてていいのかしら。私が口説いちゃうかもよ。」
「玉枝さんは私たちを応援してくれているんじゃないの。」「応援しているわよ。でも、九郎ちゃん、かわいいからどうしようかな。」
「僕はあやめ一筋だからね。」「私、玉枝さんに負けないから。」
玉枝は脅しても婚約しないのかと感心する。




