30話 3人でショッピング
日曜日、九郎は、あやめを迎えに行く。インターフォンを鳴らすと一久が出てくる。
「九郎君、おはよう、娘をよろしく。」「あはようございます。お世話になっています。」
「お父さん、九郎は私のお客よ。」「いいじゃないか。九郎君、今日は夕食食べていきなさい。」「はい。」
「九郎ちゃん、お父さんに気に入られているね。」
玉枝が九郎に言う。九郎とあやめが鳥居まで来ると玉枝は気配を強くして見えるようにする。
3人はバスに乗る。あやめが九郎に言う
「九郎、ごめんね。お父さんはしゃいじゃって。」「気にしていないよ。」
「九郎ちゃん今度は両親にあやめちゃん紹介しないとだめね。」
「そうだね。」「私、気に入られるかしら。」
「僕があやめを紹介したら、涙流して喜ぶよ。」「そうかな。」
「大丈夫だよ。」「まるで結婚の報告をするカップルみたいね。」
玉枝の言葉に九郎とあやめは赤くなる。
バスはショッピングモールの前に止まる。3人はバスを降りる。3人はモールの中を歩くがみんな振り向いていく。
九郎とあやめは人々の視線に気づく。九郎が言う。
「見られているよね。」「見られているわ。」
2人は玉枝から離れてみる。すると視線は玉枝に集まっていることが判る。
玉枝は、今はスタイルのいい妙齢の美人である。それに紫のニットの服は形の良い大きなバストを強調している。あかねはため息をつく。
「玉枝さん抜群のプロポーションだものね。」
九郎はこのままではまずいと思う。九郎は玉枝に言う。
「玉枝さん、もう少し目立たない服にしない。」「どうしたの。」
「玉枝さん、さっきから目立っているよ。特にバストが。」「分かったわ。トイレ行ってくるね。」
玉枝はトイレに行くとアウターを羽織って出てくる。
「これでいいでしょ。美人は隠せないから。」「ありがとう。」
九郎はこれで視線が減ることを願う。3人はアウトドアショップに行く。
玉枝は服の売り場へ行く。彼女は見るだけで買う必要はない。
九郎とあやめはお揃いのリュックサックを選ぶ、店員に聞いて軽量のダウンジャケットを選ぶ、そしてシュラフとマットを買うことにする。
昼になり食事をすることになるが玉枝は食事をしないため待ち合わせ場所を決めておく。九郎とあやめはオムライスの店に入る。
2人が食事を終わり待ち合わせ場所に行くと人だかりができている。2人は人ごみをかき分けて行くと撮影会が行われている。
モデルは玉枝である。九郎は玉枝を連れ出す。あやめが言う。
「なぜ、撮影会をしているんです。」「いや、写真を撮らせてほしいと言うからポーズをとっていたのだ。」
「これからは断ってください。変な人もいるかもしれないですから。」「こういうやつか。」
玉枝はあやめの後ろに立つ男の腕をねじ上げる。男の靴の先にはピンホールカメラが仕掛けられていた。
九郎たちは、男を警備員に引き渡す。あやめが感心する。
「よくわかりましたね。」「私は、お前たちを守ると決めたからね。」
玉枝は当然のように言う。3人はバスで帰る。玉枝は久沓神明社の鳥居の所まで来ると気配を小さくして見えなくする。
あやめの家に行くと一久が待っている。




