172話 九郎の言葉
朝、玉枝は九郎の腕の中で目を覚ます。彼女は九郎を起こさないようにベットを抜け出すと朝食を作り始める。
九郎が目覚めるころには、朝食は出来上がっている。玉枝は、テーブルに朝食を並べる。
ご飯に子持ちししゃもと大根の味噌汁である。
九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝は九郎が朝食を食べる所を嬉しそうに見ている。
彼は食べ終わると着替え始める。玉枝もパジャマから服を変える。白いブラウスとベージュのプリーツスカートに茶色のカーディガンである。
玉枝が九郎に言う。
「この服、似合う?」「玉枝さん、きれいだよ。」
「ありがとう。」「スマホで情報仕入れたの?」
「こういう服装した人の写真があったから真似したの。」「イメージ通りの服装が出来るから便利だよね。」
「下着は勝負下着よ。」「えっ、その~」
「九郎ちゃん気になる。」「大学に遅れるからいいよ。」
九郎はどんな下着か気になるが想像すると顔が赤くなる。
彼はそのままアパートから出かける。玉枝は気配を小さくして見えなくなる。
九郎が構内に入るとつよしと美琴が声をかけてくる。
「おはよう、九郎。社本さんとは仲直りしていないのかい。」「おはよう。抱きたいと言ったら、スケベと言われた。」
「翼君、それ最低よ。」
美琴は九郎を断罪する。3人が教室へ行くとすでにあやめが来ている。美琴があやめに声をかける。
「あやめ、翼君ああ見えて女たらしかもしれないから気を付けるのよ。」「僕は、あやめと玉枝さんだけだよ。」
「翼君、妊娠するといけないから近づかないで。」「みこ、酷いよ。」
九郎の肩をつよしが叩く。あやめが九郎に言う。
「九郎は、私を抱きたいだけなの。」「好きだよ。け、結婚したいと思っている。」
あやめが赤くなる。美琴は驚く。つよしが九郎に言う。
「九郎、この状況でよくプロポーズするな。」「僕は、気持ちを伝えただけだよ。」
あやめが上目遣いで九郎を見て言う。
「今の言葉、本当?」「本当だよ。嘘は言っていないよ。」
「分かったわ、今日、家に来て。」「分かったよ。」
九郎は自分の運命に気づいていない。




