165話 あやめのいない大学
朝、九郎が目覚めると玉枝が朝食の用意をしている。彼が顔を洗ってくると彼女はテーブルに朝食を並べている。
朝食はフレンチトーストとオムレツである。九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が九郎に聞く。
「おいしい?」「おいしいよ。」
「おかわりする。おかわりは私よ。」「おかわりしたら講義に遅れるよ。」
九郎は朝食を終えると着替え始める。玉枝もパジャマ姿から服を変える。
黒色のTシャツにデニムのジャケット、チェック柄のスカートである。
2人は少し待つがあやめが迎えに来ることはない。
九郎は大学へ向かう、玉枝は気配を小さくして他人に見えないようになる。
彼が大学に入るとつよしと美琴が声をかけてくる。
「おはよう。社本さんはどうしたんだ。」「あやめは家に帰ったよ。」
「翼君、あやめと喧嘩でもしたの。」「まあ、いろいろとあったんだ。」
「九郎、休んでいたからそれはわかるよ。何があったんだ。」「僕が玉枝さんを好きなことをあやめに言ったんだ。」
「玉枝さんはお姉さんなんだろ。」「嘘なんだ。知り合いの女性だよ。」
「お前、社本さんはどうするんだ。」「あやめのことも好きだよ。」
「翼君、二股かけるつもり。」「僕は2人が好きなんだ。」
「九郎、それハイキング部の連中に言うなよ。」「分かっているよ。」
「翼君、あやめをどうするつもり。」「話をするよ。彼女と結婚するつもりだよ。」
「玉枝さんはどうなるの。」「これが彼女の願いだから。」
「九郎は玉枝さんを愛人にするのか。」「ちょっと違うけど。彼女のことも諦めないよ。」
「翼君、女の敵ね。」「何とでも言ってくれ。」
つよしと美琴はあきれ返る。大学には、あやめは来ない。
九郎は講義が終わったらあやめの所へ行き、何とか話をするつもりでいる。




