164話 2人の夜は更けていく
九郎は、あやめの部屋の前に立ち声をかける。
「あやめ、話をしたいんだ。開けてくれないか。」
返事はない。九郎と玉枝はアパートに帰ることにする。あやめは九郎たちが帰ると部屋から出てくる。
一久があやめに声をかける。
「このまま引きこもりになったらどうしようかと思っていたよ。」「そんなことするわけないでしょ。」
「とにかく夕食を食べなさい。」「九郎と玉枝さんはどうなったの。」
「仲良くなったよ。」「お父さん何をしたの。玉枝さん一線を引いていたでしょ。」
「それに無理があるんだよ。玉枝さんも九郎君が好きなんだから。」「私、捨てられたのね。」
「そんなことはないと思うよ。彼はあやめのことも好きだからね。」「九郎、二股かけるの。」
「玉枝さんは怨霊だよ。どんなに好き合っていても結婚できないし子供も産めないんだよ。」「私は愛人連れた男と結婚するの。」
「人間ではないんだから愛人にもなれないよ。」「これは、心の問題よ。」
「そうだね。あやめは玉枝さんがいる九郎君を好きになったんだよね。」「そうよ。」
「だったら、認めることもできると思うよ。」「分からないわ。」
あやめは夕食を食べると部屋に戻って行く。彼女はよく考えることにする。
九郎たちは夕食を食べると風呂に入る。玉枝は全裸で入って来る。玉枝は九郎に言う。
「体洗ってもいい。」「お願いします。」
九郎は緊張して答える。玉枝も顔が赤い。彼女は丁寧に洗っていく。
彼はこれまでも混浴に慣れているはずだがなぜか新鮮で恥ずかしい。
風呂を出ると九郎は玉枝に言う。
「お風呂ありがとう。気持ちよかったよ。」「はい。」
2人はこの後、会話がつながらない。
「そ、そろそろ寝ようか。」「そうね、ね、ねましょうか。」
顔を赤くして2人が言う。2人は手をつないでベットに入る。そして見つめ合う。
「玉枝さん、きれいだよ。」「うれしい。」
2人は口づけをして抱き合う。彼と彼女の夜は更けていく。




