161話 気まずい朝食
九郎と玉枝は家に上がり、居間へ通される。台所では、かえでが朝食を作っている。
九郎は気まずく冷や汗が出てくる。一久が九郎に言う。
「九郎君、あやめに玉枝さんを好きなことについて話してしまったね。」「はい、そうです。」
「それであやめは家に帰ってきたんだね。」「はい。」
「あやめは自分を選んで欲しいと言わなかったかい。」「言いましたが。僕は、どちらかを決められないと言いました。」
「そうか、九郎君はそう答えたか。」「すみません。」
「いいんだ。いずれはこうなる気がしていたんだ。」「どうすればいいのですか。」
「2人とも選んだらどうかな。」「そんなことできません。」
「私としては、あやめが大事だが玉枝さんの協力も必要だ。」「欲張りではありませんか。」
「そうだよ。九郎君にはもっと欲張って欲しいと思っている。」「そんなことあやめが認めませんよ。」
「まあ、続きは朝食を束てからにしょう。」
一久は用意された朝食を束始める。九郎は一久があやめのことで起こるのではないかと思っていたが話がおかしな方向へ行っているように感じる。
玉枝は、一久が九郎と玉枝の両方を失いたくないと考えているのだと思う。彼女は彼が次にどんな手を打ってくるのか想像できている。
朝食が終わると一久が九郎に言う。
「九郎君、玉枝さんとの仲は進んでいないのだろ。」「僕は気持ちを伝えましたがこのままの関係でいようと断られています。」
「君は一回で諦めるのかい。玉枝さんは君のことを嫌っていないのだからしつこく挑戦すればいいよ。」「それこそ嫌われてしまいます。」
九郎は玉枝の方を見る。玉枝は顔を赤くしてうつむいている。彼は「えっ」と思う。そしてまだ挑戦するチャンスはあるのかと考える。




