144話 学祭中止
朝、九郎が目を覚ますと玉枝の他にあやめと美琴がいる。3人は、楽しそうに朝食を作っている。
これには、あやめの意思が関係している。あやめはいつもより早く起きると美琴を起こして、九郎のアパートに向かう。
2人は、九郎のアパートの部屋の前に立つ。美琴があやめに言う。
「朝早くからやめようよ。」「何言っているの。これくらいしないと九郎がとられてしまうわ。」
あやめはインターフォンを鳴らすと玉枝が出てくる。玉枝は2人に言う。
「九郎ちゃん、まだ寝ているから静かにしてね。」「はい。お邪魔します。」
「今朝はどうしたの。」「九郎の朝食を作りに来ました。」
「じゃあ、3人で作りましょ。」「はい。教えてください。」
こうして3人は一緒に朝食を作ることになる。メニューはフレンチトーストとオムレツである。
4人はテーブルで譲り合って食事をする。テーブルが小さいので料理でいっぱいになっており。4人でテーブルを囲むこともできないのである。
食事が終わると九郎と玉枝は着替えをする。九郎は、あやめと美琴に後ろを向いていてもらう。
玉枝は、しゃれたイラストの描かれた白いTシャツに黒色スリムパンツである。
美琴は玉枝を見ておしゃれだと褒める。そこに、玄関のインターフォンが鳴る。九郎が玄関を開けるとつよしが立っている。つよしは部屋の中を見て言う。
「どうして、美琴と社本さんがいるんだ。」「今朝は、みんなで朝食を食べたんだよ。」
「うらやましい。この裏切り者め。」「それはないだろ。起きたら、あやめとみこがいたんだよ。」
「一緒に寝たんじゃないよな。」「当たり前だろ。」
つよしが納得すると、九郎たち5人は歩いて大学へ向かう。
彼らは焼き鳥の準備のためにクラブ棟へ向かう。今日は学祭の2日目である。しかし、クラブ棟へ近づくと立ち入り禁止になっている。
午前中に警察と消防がクラブ棟を調べることになっていた。
5人が立っていると部長と先輩たちがやってくる。部長が言う。
「今日の学祭は中止だそうだ。残念だが仕方がない。」
つよしが部長に言う。
「部長どうするんですか、食材は仕入れているんですよね。」「そうだ、我々は焼き鳥パーティーを行う。幸い昨日の売り上げで資金はある。」
こうして、ハイキング部は焼き鳥を焼き始める。他の部活も屋台を始める。そして、彼らは屋台の食べ物や酒などをシェアして盛り上がる。
学生たちのパーティーは夜まで続けられる。玉枝は調子を取り戻したようで、学生たちのお酒の勝負を受けている。
挑戦者は、勝てば玉枝との1日デートとあって真剣である。学生たちは、次々と脱落していく。
あやめは九郎の隣に座って缶酎ハイを飲んでいる。九郎はあやめを心配して言う。
「飲み過ぎじゃないの。」「大丈夫、九郎がいるから、私を見捨てたりしないよね。」
「そんなことしないけど、体に悪いよ。」
いつもはあやめが九郎の飲み過ぎを注意するのだが、今日は立場が反対である。
つよしと美琴はちゃっかり抜けだして、人のいないところで2人の世界に浸っている。




