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ジャスミン
金の小麦の穂が揺れる。収穫まじかのその金の穂の色はあの娘のおひさまの香りのする軟らかな髪の色に
似ていて、僕は、作業の手を止めて、じっと金の穂が揺れる様を見ずにはいられない。
ふっと、足の力を抜いて、そこに崩れ落ちるように座り込むと水車の音と水のせせらぎを聴いていた。
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僕の好きな小説の主人公は、ジャスミンの風に沈み、フルーメルの帯域に流されていく。彼は片腕から血を流したまま。ゲーンは命を落とす。透明な水中は、どこまでも透き通っているのに
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--水に溶けてしまいたい。そんな、僕の幻想は、妄執となって僕にとりついている。--それは、うっとりするほど魅力的に僕を引きひきつけるから
あの子に惹かれるのと同時かそれ以上に 魅力的な――それは、僕の妄執




