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プロローグ
sui
水
水のなかに、うずくまるように
ただただ、空をあおぐように
仰向けに落ち
そのままに、水中のなか、身体をまるめた
そのまま、空をうわむきに仰ぎながら
『ああ、美しいと
それは思い
ああ、美しいと、そらから、零れ落ちる そそぎこまれる 光をみつめる
透明な水中は、どこまでも透き通り
どこまでも、水のグラデーションをつくり
やわらかくそらに、まだら模様のゆらぎをつくる』
まるで、たゆたう
そこに
**
ジャスミンの風
フルーメルの帯域に、ながされていくまでを
僕は、片腕から流れ落ちる血のなかで
見た気がした
**
僕の好きだった本の一節、
『ああ、美しいと
それは思い
ああ、美しいと、そらから、零れ落ちる そそぎこまれる 光をみつめる
透明な水中は、どこまでも透き通り
どこまでも、水のグラデーションをつくり
やわらかくそらに、まだら模様のゆらぎをつくる』
その本の主人公、ゲーンは、そういって、
―-その後、どうしたのだったか
そのようなことを思う
その光景があまりにも美しくて
僕は、全てをわすれたように
空白に
身をまかせたから




