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第八話~誕生~

今回は短めです。

ジンの過去です。

 実験室。

「………ちは………う………」

(………?)

 誰かの声がして、少年は目を開けた。

「………」

 緑色の視界の向こうには、白衣を着たたくさんの人がいる。

 手を伸ばすと、冷たいガラスに触れた。

 誰かがなにかを言っている。

 ふいに、緑色の水から引き上げられた。

「………っ、げほっ、がはっ、ごほっ」

 少年は、肺の中に入っていた水を吐き出して床に座り込む。足に力が入らず、立つこともできない。

 誰かが少年の肩に毛布をかける。その誰かは、少年の前に膝をつき、言った。

「私の名前は、市村ほまれだ」

 少年はほまれを見上げる。

「いちむら………ほまれ………」

 そして首をかしげた。

「じゃあ………僕は、誰………?」

「君の名前はジン。最後の人造異能者だ」

 ほまれは微笑む。

 ジンは相変わらず首をかしげていた。


 ジンが生まれた瞬間だった。

過去話は終わりです。

次回からは、元の時間軸に戻ります。

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