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どこからか聞こえてくる音  作者: くろくまくん


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1/7

ステップス倶楽部、ってなんだ?

それは、平凡な高校二年生の男の子のお話。


ある暑い夏の日の出来事でした。

 ごくごく当たり前に日常に溶け込んでおり……そう、当たり前過ぎて特別なものとは認識されてもいない。


 窓の外から聞こえる、車の音。


 小鳥のさえずり。


 雨や風の音。


 近くで鳴っているものもある。小さなものから大きなものまで。


 携帯の通知音。


 電子レンジの温めの終了音。


 時計の針。


 テレビ。


 自分自身から発している音もある。


 頭を掻く。


 鼻を鳴らす。


 息をする。


 お腹の音。


 喉がなる。


 心臓の鼓動。


 この耳で聞いている様々な音もあるけれど、例えば頭で。というか脳で認識している音というのもあるだろうか。もしくは心で? 


 擬音語。擬態語。擬態語の場合は、実際に耳で聞こえるものではないからな。


 ただ、脳では認識している。


 実際の音ではなく、言葉で。文字でそれを伝えたり表したりすることができるのだろうか。


 それは、受け取り手によって変わってしまうような。


 受け取り手によって変わる。うん、その通りだ。だから、面白いのだろう。


 同じ音でも。同じ言葉でも。聞いた人間によって、読む人間によって、感じ方や意味合いそのものも変わることがある。


 そんなことをふと考えていた。


 ふと考えていた、夏のことだった。



◇ ◇ ◇



「ユウちゃん! 聞いてる?」


 目の前で、ごくごくありふれた公立高校の制服に身を包んだ、女子が僕に語りかけてくる。


 ちなみにここは、学校の教室の中。僕はこの目の前の女子の同級生、高校二年である。


 一応、幼馴染という感じ。


「え、なんか言ってた?」


 目の前の女子は少し怒っている。まぁ、僕が話を聞いてなかったからだろう。


「ユウちゃん、夏休みどうせヒマでしょ? もう一回言うけど、ステップス倶楽部の集まり付き合ってよね」


 ステップス倶楽部……目の間の女子、陽真理ひまりが所属している部活の名前だな。ステップスてなんなんだよ、という感じだよな。ステップス=階段=怪談、だってさ。ダジャレかい。


 ちなみに、ユウちゃんというのは僕の名前だ。優太ゆうたと言う。名前に似合わず優しくはない。これは本人が言うから間違いない。


「僕、そのステップス倶楽部、っていう名前自体があまり好きじゃないんだけど……」


「そんなの却下! はい、じゃあ決定! 大丈夫、私も一緒に行くから。外に出るキッカケになってよかったでしょ?」


 まぁ、だいたいいつもこうである。でも、実際のところ、家ではゲームか読書かテレビ見てるくらいだから、暇と言われても仕方ない。


 ただ、そのあとにヒマリから聞いた怪談倶楽部の集まりの内容に、少しだけ興味を惹かれた。


「今回、吹奏楽部とのコラボイベントなのよね。あ、別に演奏しながら話すわけじゃないよ。ウチの部と、吹奏楽部の怪談好きな子達が集まって、合同で活動する、っていう感じ。夏休み限定だけどね」


 吹奏楽部。音。


「もしかして、音にまつわる怪談話を披露するみたいな感じだったり?」


 ヒマリは僕に指を差す。


「その通り! ユウちゃんよくわかったね〜。じゃあまあそういうことで。またメールか直接言うね」


 そう言って、ヒマリは女友達と共に教室を出た。


 なかば無理矢理な集まりへの参加。


 もちろん内容もまだ聞いていない。


 でも、今年の夏休みは、もしかしたらいつもより少し、楽しくなるかもしれない、と僕は思った。


 今は七月の真ん中、もう数日で夏休みというところだった。


 音にまつわる怪談話……そんなにあるのだろうか。まぁでも、面白い。


 続報を待つことにしよう。


 帰りにコンビニでアイスでも買って食べようかな。


 僕はのっそりと立ち上がって、特に急ぐこともないので、ゆっくりと帰路につくことにした。



同級生のヒマリから、怪談倶楽部の集まりの誘いを受けるユウタ。


今回は吹奏楽部と合同とのこと。


どんな集まりになるのかな。


挿絵(By みてみん)

上の画像は今回のエピソードのイメージイラストを、生成AIを使用して作成したものです。

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