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夜勤族の妄想物語3 -6.あの日の僕ら2~涙がくれたもの~-  作者: 佐行 院


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美麗には最近疑問に思う事があった。


-⑱ 警視総監-


 龍太郎が原付に乗って出前に向かうのとほぼ同刻、キッチンカーのある公園では美麗が少し不思議そうな顔で語り始めた。


美麗「最近ね、パパがぎっくり腰になっちゃったから出前はやめていたんだけど何故かバイクも岡持もそのままにしているんだよね。」

真帆「え、龍太郎おじさんが?!」

美麗「そうなの、そりゃたまにママが行く時もあるけどさ。ママは原付じゃなくて車で行くのよね。私は教習所以来原付なんて乗って無いし・・・、どうしてだろう。」


 すると、守達が吞んでいた公園の前を怪訝な表情で原付に乗った龍太郎が通ったので美麗は父親に向かって手を振った。


挿絵(By みてみん)


美麗「おーい、パパー!!」


 しかし龍太郎に声が届かなかったのか、龍太郎は表情1つ変える事無く通り過ぎてしまった。


美麗「パパひどい、もう口利かない!!」

守「まぁまぁ、そんな事言うなよ。龍さんにも色々あるんだろ。それにしても現役でバイクに乗って出前してたじゃんか、大丈夫なんじゃないの?」

美麗「おかしいな・・・、帰ってママに聞いてみよう。」


 一方その頃、警察署では拘留されていた暴走車の犯人の取り調べが行われようとしていた。しかし警察署長が普段取り調べを行う美恵や文香に今回は行くなと指示を出していた。


文香「署長、どうしてですか?逮捕したのは巡査数人と私たちなのに。」

美恵「そうですよ、普段から私達が取り調べをしているじゃないですか。」

署長「奴が絡む事件の取り調べだ、すまんが奴をずっと追ってる警視総監にお願いする事にしたんだよ。」

文香「そんなに凄い方に取り調べをお願いしても良いんですか?」

署長「奴が絡む事件に限っては自分が取り調べをしたいと仰ったのは警視総監ご自身なんだ、すまんが私の我儘を聞いてくれ。」

美恵「それにしても警視総監ってどんな方なんですか?」

署長「普段は警視庁含め何処にも留まることなく人に紛れておられる方で正体を知っているのは私含めた数人だけだ、実際に会った時に緊張して欲しくないと本人が希望されてな。」

文香「そうですか・・・。あ、そろそろ犯人を取調室に連れて行く時間じゃない?」

美恵「そうね、行きましょうか。」


 美恵たちは犯人が拘留されている部屋へと向かい、犯人が入っている独房の鍵を開けた。


美恵「取り調べの時間よ、出て来なさい。」


 文香が出て来た犯人の両手に手錠を付けると第2取調室へと連れて行った。


文香「今日は私達じゃなくて、普段中々会えない警視総監自ら貴方の取り調べをするそうよ、覚悟なさい。」

犯人「俺は誰が相手だろうと嘘をつくつもりもないし、知っている全てを包み隠さず話すつもりだ。」

美恵「言ってくれるじゃない、ほら、着いたわよ。」


 第2取調室に到着すると犯人を座らせ刑事達は部屋を出た、各々のデスクに到着しかけた時に見慣れた顔を見つけた、龍太郎だ。


龍太郎「お待たせしました、松龍です。」

文香「あれ?龍さんじゃない、出前?見た感じは誰も頼んでないみたいだけど。」

龍太郎「ああ、第2取調室に持って来てくれと頼まれてな。文香ちゃん、すまんが場所を教えてくれるかい?」


 2人が第2取調室の前に到着すると文香が龍太郎の事を気遣い扉を開けようとした。


文香「岡持重そうだね、開けようか?」

龍太郎「大丈夫だよ、ありがとう。大丈夫だから仕事に戻りな。」

文香「うん、じゃあね。」


 文香がその場を離れると龍太郎は取調室に入り椅子に座るとテーブルに岡持を置いて椅子に座った。


犯人「それ、今から来る警視総監って奴が頼んだのか?ずっとそいつを待っているんだが。」

龍太郎「どれだけ待ってもそんな奴来ねぇよ、俺がその警視総監なんだからな。」


龍太郎のまさかの裏の顔。

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