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Romeo & Juliet 2  作者: Maria
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10/11

dearly10...I'm livin'you

『先生なんて大っ嫌い!!』

『…そんなこというなよ。』

『どうして?』『だって梨華はその先生のこと好きなんだろ。好きだから怒るんじゃん!』

『そんなことない!!先生は私の気持ちに向き合ってくれないし…最低だよ』

『最低なんて言うなよ。一回でも好きになったんなら悪く言うな。』

『だって…』

『先生なんだからしょうがないんじゃないの?"好きです"って言われて"はいそうですか。じゃあ付き合おう"なんて言えなくね?』

『ならはっきり断れば良い!』『それはそうだけどさ…もしかしたら向こうだって』

『何?向こうって?』

『いや…何でもない。とりあえずそんなイライラすんなよ!話だったら俺がいつでも聞くからさ』

『…うん。ありがと。』


私は最低な女の子かもしれない。自分へ想いを寄せてくれている人を利用するようなことをしている。大切にすべき人を傷つけるようなことを。

でもそんな私を省吾は怒らない。私が何をしても、省吾は私を好きでいてくれる。だから私はまた省吾に頼ってしまう。ダメだと思いつつ最低だと分かりつつ彼を利用してしまう。それ以来私は先生に会えない寂しさや想いが伝わらない辛さを消して欲しくてつい省吾に電話してしまうようになった。


━━夏休み一週間前。

私はまた図書室に来ていた。大好きなゲーテに会うためにね。

《変わらぬ心でいたならば、愛しい人にも飽きはこぬ。深い契りを結びもし、離れて行く気も起こらない。変わらぬ心でいたならば、愛しい人にも飽きはこぬ。いっそ年とり、しわくちゃで、心も冷たくなればよい。たとえ冷たくされたとて、辛い思いもせずにすむ。いっそ年とり、しわくちゃで、心も冷たくなればよい。*千変万化の恋人》ゲーテの言葉が痛いほどこの胸に突き刺さる。どうして彼には私のこの気持ちが分かってしまうのだろう。

もう何も感じなくなれば先生に会えなくても冷たくされたとしても悲しくない。本当にそうだよね…。

私は泣きそうになって図書室を出た。

プルル〜♪

『…もしもし?』

『もしもし。俺だけど…今平気?』

『省吾…。平気だよ。どしたの?』『いや…別に特に用はないんだけど何となく。』『何それ?(笑)てかさ…』

私は省吾にいま読んだゲーテの本の話をした。省吾はただ黙って聞いてた。

『本当さもう何も感じなくなる薬とかあったら欲しいし!欲しくない?』

『俺は欲しくない。』

『何でー!?だってそしたら何も辛いことも悲しいこともないんだよ!』

『…そしたら意味ねぇじゃん。』『え?』

『確かに恋愛してたら辛いことも悲しいこともあるかもしんねぇけどさ。それがあるから恋愛なんじゃないの?』『……。』

『もし何も感じなくなったら人間に恋愛って感情がある意味なくね?何も感じないなら恋愛なんていらないじゃん!』

『でも辛いだけなら恋愛なんて意味ないよ!!』

『そんなことねーよ。』

『でも私の恋愛は嫌な想い出のが多いもん。他の子と仲良くしてるとかデートしてるとかあたしを避けてるとかそれから』

『それだって立派な恋愛じゃん!』『どこが!?こんなの恋愛じゃないよ!恋愛っていうのはもっと幸せでお互いが笑っていられて』

『そんなことないよ。その人のこと想って泣いてその人が誰かといると妬いてその人だけしか見えなくて。その人と目が合ったらその日1日楽しくてその人と話せただけで何よりも嬉しくてその人が夢に出てきたら超幸せで…それってめちゃめちゃ恋愛じゃん!何も感じなくなったらこういう気持ち全部なくなんだよ。そいつがたとえいま隣に居たって誰と何してたってどうも思わないんだよ。手が触れたって名前呼ばれたって嬉しくないんだよ?何も感じないってそういうことだよ。それってもう生きてるって言わなくね?』

『……。』

『お前は生きてんだよ。梨華だけじゃなくて俺もその先生も!みんな感情持って生きてんだよ。辛くても悲しくてもそうやって生きてかなきゃいけねんだって!!』

『…省吾』

『お前が先生を想って辛いように俺だってお前を想って辛いよ。梨華のことが好きだから辛いし悲しいよ!でも俺はそれで良いよ。何も感じない、そんな悲しい人間になるより全然今のままで良い。嫌になる時もあるけど俺はこれからもそうやって生きてく。だからお前も負けんなよ!!恋愛なんかに負けちゃダメだよ。』『…省吾。』

『俺応援するからさ!梨華が先生を好きなら梨華のために何でもするから逃げないでちゃんと向き合って欲しい。さっきから偉そうなこと言っててごめん…。』『ううん。そんなことないよ。あたしの方こそごめん…ありがとう省吾。』省吾の言葉はゲーテの言葉と同じくらい私の胸に届いた。強く響いた。恋愛になんて負けていられない。確かにそう。でも私…辛い想いしたくないよ。悲しい気持ちになるなら好きでい続ける自信がないよ。先生に近付くのがこわい。先生はあたしのことどう思ってるのかな?あたしの気持ち…もう気付いてるでしょ?ねぇ、先生。


終業式の日が来た。

離任式も一緒。

今年は誰が離任するんだろう。

てか今年はこんなにいなくなっちゃうんだぁ。それにしても長いなぁ…早く終わらないかなぁ。

『…です。では次が最後の先生の挨拶です。では中村先生お願いします』



え…。いま…。『え〜中村真央です!私はこの桜華学園高校には3年間勤めたんですがとても素晴らしい学校で生徒のみんなも良い子たちばかりでとても貴重な3年間だったと思っています。私は秋から慶応義塾大学の方で働くことになりました。え〜みなさんとの別れは寂しいですがまたいつかどこかで会えたら声でもかけてくれたら嬉しいです!ではありがとうございました!!』

『ありがとうございました。ではみんな最後にもう一度大きな拍手で!』


嘘…でしょ。何それ。意味分かんないよ。

『…梨華。大丈夫…??』

『優香…あたし…あたし先生が…嫌だよ優香ぁ!!(涙)』

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