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骸骨パラダイス!  作者: 春野セイ


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目の前の道を歩き続けた。


「テアシ」


 俺が声をかけると、テアシがびくっと肩を揺らした。


「俺たちも行くか」

「ウキン……」

「ん?」

「あ、あの……」

「どうした? 腹でも壊したか? ショックだよな。どこかで休むか。テアシはいつも寝てたもんな」


 テアシが歩き出さないので、おんぶしてやろうと背中を向けた。


「ほら、背負ってやる。軽いから大丈夫だ」


 テアシが遠慮なく俺の背に乗っかってきた。

 首が閉まりそうなほど、ぎゅっと腕を回した。

 俺が歩き出すと、テアシが背中でもぞもぞしているような気がした。


「アイラのこと……。気の毒だったな……」


 テアシは何も言わない。

 俺はひたすら歩いた。

 駅は広い。これからどこへ行こうか。

 途方に暮れる前に、テアシが何か話してくれたいいのだが。

 背中の上でテアシが何か言った。


「……き」

「は?」

「だから、好きですって言ったの」

「……は?」


 俺がぽかんとして立ち止まった。

 背中の上で何を言い出すのか。


「ウキンのこと、好きですって言ったのっ」


 今さら何を……。


 俺は吹き出して再び歩き始めた。

 そんな事とっくに知ってたよ。


「俺をストーキングしてたのはどこのどいつだ?」

「えーっ?」


 大げさに驚くテアシの反応にこちらがビビるわ。


「俺をしつこく追い回して、学校を辞めざるを得なくなって、年の差考えろ、こら」


 俺の小言は聞こえているのだろうか。

 テアシが背中でぶつぶつ言っている。


「だって……、センセイが誰かに取られたら嫌だもん……」

「いないよ、そんな奴」

「いるっ。ていうか、またはぐらかしてるでしょ」


 俺は歩きながら答えた。


「命かけて守ろうと思ったのはテアシだけだよ」


 15歳にこの告白が通じたか分からないが。それきり、テアシは黙り込んでしまった。


「テアシ、聞いているのか?」

「聞こえた……」


 ボソッと耳元で声がしたので安堵して歩き始める。

 いつまでこの姿でいられるのか知らないが、とりあえず、消えてしまう前に、気持ちは伝えようと思った。


「俺も好きだよ」


 びくっと震えるテアシを感じる。

 本当なら感じるはずのない背中にいる骸骨を少しでも感じようと思った。


 俺はとりあえず、目の前の道を歩き続けた。



◇◇◇◇◇


 白骨化 ニュース 遺体 検索


『築100年の廃校の○○小学校の山に白骨化した遺体が複数発見される。

 ○○県警察は今月20日、○○団地内で成人男性を誘拐、監禁し、すでに逮捕、起訴されている滝本聖良《たきもとせいら》容疑者(35)を再逮捕したと発表した。

 滝本容疑者は、以前、行方不明届けを出していた娘を殺害しそのまま放置した後、娘の交際相手の塾の講師(25)を同日殺害して、○○小学校の裏山に遺棄したと供述しているという。

 その○○小学校には、以前から、殺害した娘に売春をさせていて、複数回、中絶を繰り返し、その乳児の遺体も遺棄していたという。

 今回、滝本聖良容疑者の内縁の夫と見られる男性が、バラバラになってコインロッカーから発見された件で、通行人から異臭がすると通報があり、それらの事件が発覚した。

 容疑者からは他にも余罪がないか追及する方針』


                                 了


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