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骸骨パラダイス!  作者: 春野セイ


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はじまりと目覚め

 はじまり


  白骨化 ニュース 遺体→検索


  ――海岸に一部白骨化した男性と思われる遺体を発見。


  ○○県○○町の海岸で一部白骨化した高齢と見られる男性の遺体が見つかった。

  警察によると遺体は70代から90代の男性で身長165センチくらい、体のほとんどが白骨化していた。

  黒のフリース、黒いズボンを身につけており、左手の薬指の第二関節から欠損していた。

  警察は身元の判定を進めるとともに事件と事故、自殺を視野に調べている。






 目覚め




 なんてこった。

 なにが起こっているのか、さっぱり分からん。


 目覚めた時、俺はどこかの廃校にいた。

 なぜ、廃校だと分かったか。

 それは、ここが明らかに前は学校だったと思われるからだ。

 窓ガラスは割れていて天井から配線が落ちて、ハハハまあ綺麗なもんさ。おい冗談だよ。俺の言っている言葉、通じているよな? 汚れまくった壁のコンクリートも剥がれそうだ。


 床は土だらけ。落ち葉やガラスの破片。

 あと、誰かがここで菓子でも食ったんだろう。

 まあ、これ以上くわしく説明しないが、ようはゴミだらけだよ。



 そして、最初の質問に戻る。

 いったい、なにが起こっているんだ?


 この質問を俺は誰に投げかけているのか。

 それは俺に向けてだ。

 自分自身に問いかけている。


 というのも、俺が骸骨になっているからだ。

 どうして骸骨だと分かったか? それは、手のひらは骨だよ。肉がついていない。スケルトンってやつだ。

 顔も骨ばっているし、骨盤まで伸びる背骨も見えるし、足だって……。

 骨組みってこんな感じなんだな。


 やけに冷静に自分を見渡した後、気づいたことがある。

 俺の横にもう一体、俺と同じ骸骨が座っていた。


 俺よりもずっと細い。

 小さい骸骨は、ガラスの破片だらけの上に足を投げ出して、壁にもたれて正面を向いている。

 骸骨なので目を閉じているかさえ分からん。


 しかし俺はなぜ、考えることができるんだろう。

 思いつくことを考えてみる。


 まず、俺は死んでいる。

 そりゃそうだろう。骸骨なんだ。

 きっと隣の骸骨だって死んでいるんだ。


 言っておくが、俺はさっき目を覚ました。

 パチッと目を開けたら骸骨になっていた。


 どうして俺は驚いていないんだ?

 んー、どうしてだろうな。

 普通なら、ぎゃーっと叫ぶんだろうが、なぜか、自分が死んで骸骨になっているのに驚いていない。

 ショックも受けていない。


 さて、一人で問答してもどうしようもない。

 俺が思考できるくらいなんだから、もしかしたら隣の骸骨も思考することができるかもしれない。


 こいつに話しかけてみるとするか。

 声が出るのか分からんけど。


 一か八か、俺は隣の骸骨に向かって話しかけた。


「おい!」


 お、声が出たと自分でも驚いていると、びくっと骸骨の肩甲骨あたりが動いた。


「あ、動いた。なあ、あんた。俺だ、あんたの隣にいる俺が声をかけてんだ。聞こえるか?」


 ちゃんと分かりやすいように説明をしてやる。

 そう言うと、隣の骸骨がぎぎーっとこちらを向いた。


「うおおお、こええ。こっち向いたー」


 俺は思わずびくっとして肩をすくめた。肉はないけど。


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