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第57話 奪われるイフリート!



「……終わったな」


 マキナはロックトレントのいた地面にイフリートを突き立て、そのままゆっくり手を離す。

 地中深くのロックトレントの根を全て焼き切る為だ。


「やったー勝ったー!!」


 アリアは両腕を上げて喜ぶ。

 4人の連携で、鉱山に巣食う凶悪モンスターを討伐した。


「まさしく最強の魔導武器だな、イフリートは」


 ベローネはストームブリンガーを背中に仕舞いながら言った。

 実際、たった1つの武器で鉱山に生い茂った魔植物を焼き尽くしたのだ。


「ステラ、大丈夫か?」


「もう駄目かと思ったわ……」


 マキナの声掛けにステラは安堵する。


「ちょっとマキナ、頬から血が出てるじゃない」


「え? あ、ほんとだ」


 マキナは頬をなぞると、指に血が滲んだ。


「さっきロックトレントが口から何か飛ばしてきたんだ、多分それだな」


「少し深く切ってるわ、血が止まらないもの」


「問題ない、逆にこれだけの傷で済んでよかった」


 マキナは血を拭うと、薬草を取り出し患部に押し付ける。

 そんな2人に、アリアとベローネが駆け寄る。


「マー兄、ステラちゃんお疲れ! 2人ともカッコよかったよ!」


「ありがとな、アリアも頑張ったな」


「マキナ、もしかして怪我をしたのか?」


「少し頬を切っただけだ。とりあえず討伐したことを報告しに行こう」


「イフリートはあのままでいいの、マー兄?」


「まだ油断は出来ない、根絶やしにする為にあのままにしておこう」


 4人はそのまま下山するべく歩き出す。


 中腹を抜ける時、異変は起こった。

 突如、マキナの視界がぐらつく。


「!?」


 身体を維持できなくなったマキナは、地面に倒れ込んだ。


「マー兄!?」


 ベローネは倒れたマキナを仰向けに抱き抱える。


「おい、マキナ! しっかりしろ!」


「う、うう……」


 朧げな視界のままマキナは口を開く。

 思い当たるのは、ロックトレントの最期の攻撃だ。


「ロックトレントの、毒、か……」


「そ、それってまさか、アンタがさっき言ってた!?」


 ステラが取り乱しながら言った。


「迂闊だった……こんな置き土産をされるなんて」


「今すぐ騎士団の医療班を呼ぶ! アリア、この中で君が最速だ、頼む!」


「分かった! 待っててマー兄!」


 アリアは【疾風の加護】を使い、一気に下山を試みる。


 だが、

 それはとある人間の一言で阻止された。


「――おいおいおいおい、駄目じゃねぇかよぉ。大事な炎剣を放置したらぁ!!」


 地面に突き刺さるイフリートを抜き取り、下衆な笑いを浮かべる赤髪の男。

 剣身を舐め回すように見つめながら、感触を取り戻すように一振りさせた。


「お、お前は、何でここに……!?」


 マキナは目を見開いた。

 目の前には、ここにいるはずのない人物。


「会いに来てやったぜマキナァ、このジュダル様がなぁぁぁぁ!!!!」


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