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14.ミルティの過去


「そういえばミルティは精霊都市に元々いたんだね」


「そうなんです。こうして私の話をするのは初めてですよね」


「そうだね」


 ミルティと最初に出会ったのは魔法学園コルバルテでの討伐クエストの時だ、あの時はまさかミルティが精霊だなんて思わなかったし、契約をすることになるなんて想像すらできなかった。


「魔王軍がファイフォビスにも攻めてきたんだってな」


「そうなんですよ。あの時は本当に、絶望しました。精霊使いの黒髪の男がいきなり現れたと思ったら、虚構を見破って直ぐに都市にまで侵入してきました。そして魔王軍が出現したんです」


 その黒髪男は完全に魔王人格のハイフレードだろうな。こんなところにまで何か悪だくみをしていたのだろうか。


「都市周辺を黒髪男が回っている一方で、私達は魔王軍の魔物と対峙することになりました。しかし戦力差は圧倒的、そして幹部のシャキラが私達の数人をさらっていってしまったんです。その中に私も含まれていました」


 シャキラ……懐かしい名前が出てきたな。あんまりすぐやられてしまったんで逆に覚えている。


「そこからは多分グラスさんもご存じのとおりですね」


「じゃあ、あのシャキラのデビルズゲートで犠牲になったのってミルティの仲間の精霊だったのか」


「最初は彼らもいい人たちだったのですが、シャキラに追い詰められているうちに、徐々に性格も変わっていき、私もどんどん人間不信になっていきました。あの時は本当に地獄でしたね」


「そうだよな」


 確かに出会ったばかりのミルティは髪もぐしゃぐしゃで、虚ろな目をしていて今と比べてみれば相当荒んだ精神状態だったと言える。


「ですから私達は本当にグラスさんに感謝しているんですよ。私はもちろんですが、ああ見えてセレネティリア様もグラスさんの事を知って本当に感謝していると思います」


「ええ、見たところ僕が魔王討伐をしたことすら知らなかったけど」


「女王様ですからね。かなり忙しいんですよ。只感謝の気持ちは本物だと思います」


「分かった。ミルティとここまで話せてよかった。このひずみの問題を解決したらまた一緒に冒険しよう!」


「はい! 私もその時をとても待ち望んでいます」



 そんな長々しいやり取りをしていたが実はミルティと話していたのは精神干渉である。流石にみんなが集まるこの空間でここまで二人だけの長話をするのは難しいであろう。時間経過はなのでしていない。


「それで、今回新しい目的となったひずみについてだけど、偶然なことにセルファシアさんと再び対面することになった。そこで作戦があるんだけど……僕は一旦身を潜めようと思う。すっかりいなくなっているはずの僕が居たらそれは怪しまれそうだ。だからみんなにセルファシアさんの考えや、ひずみへの対策を聞いてもらいたいんだけどどうかな」


「かしこまりました」


 僕の意見はみんなに受け入れられることになった。


「面白かった、続きが読みたい!」


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