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13.ひずみ

金髪で荘厳な装飾で彩られた精霊女王セレネティリア様、その輝きは今まで見てきたものの中で群を抜いていて、この精霊都市の女王に相応しい容姿をしていたのだった。


「セレネティリア様……逸話では幻想を作り出して精霊を統治する女王様がいるという話で聞いたことがありましたが、本当に実在していたとは、お会いできて光栄です」


 勇者の伝説や女神、魔王を始めとしてこれまでも逸話で出てくる相手に何回も出会ってきた。このシチュエーションにも慣れてきた気がする。


「自分からもお会いできて光栄です」


「はい、それでは早速本題へと入りましょうか」


 早速話を始めてくれるようだ。


「お二人が一番気になっていることはやはり、ミルティとホルテラが何故お二方の前に現れなかったかですよね、それは精霊と人との間をつなぐ空間にひずみが生じたからです」


「ひずみですか……」


「通常は人と精霊を繋ぐはずの空間……そこにひずみが出来たことにより通り道が塞がれたことになる。このひずみの原因が問題なんですよね」


「待って下さい、それじゃあ何で今僕たちはミルティを始めとした精霊と対峙出来ているんですか」


「それは精霊都市周辺にはひずみは確認されていないからですね。精霊側の干渉力が多いため、ひずみが生じても直ぐに消滅してしまうようなのです」


「うーん、何を言っているかさっぱり理解できないぞ」


 エルカは頭を抱えてそうぼやく。


「つまりはミルティさん達と出会えるのは今のところ精霊都市だけだということですよ」


「そう言う事かありがとうレピティ」


 レピティの解説力がここでも活かされたのであった。


「しかしそれは困りましたね。それでは私達はミルティさんやホルテラ様と気軽に会えなくなる、戦闘の時にも支障が出そうです。そのひずみ問題は早急に解決しなくてはなりませんね」


「そうなのです。私ども精霊としても、人と出会うことが絶たれてしまうため、このひずみ問題こそ、今我が精霊都市が総力を挙げて解決をしたいと思っている大問題なのです」


「そもそもなんでひずみがいきなり生じたのですか」


「そうですね、ひずみが最初に生じ始めたのは、今から約3年前頃なのです、魔王軍が我が精霊都市にも攻めてきた時の事……それから数か月が経過してひずみが発生しました。皆さまは何か心当たりがありますか」


「それって……僕が魔王を倒したときの時期ですかね……」


 僕の脳裏に確信的な心当たりが思い浮かんだのであった。




「魔王……そうかあなたがあの魔王を倒した方でしたか。それではお聞きしたいのですが、ひずみは大きな衝撃を強力な精霊使い同士の戦いで生まれます。魔王との戦いで何か心当たりはありませんでしたか?」


「精霊術の衝突と言えばやっぱりあのヘルテラをミルティで倒したときがありましたね。あれ、もしかして僕とミルティがひずみを起こした原因だったり」


「成程……」


 セレネティリア様は少し考えこむように何かを思考する。


「ミルティは同じ質問をされなかったの?」


「ええ、はい……私もひずみが精霊の衝突で生じたとは全く知りませんでした」


「ええ、ミルティたちには何も質問をしていなかったのです。それでですが、確かにグラスさんが起こしたひずみは一要因ではあるとは思うのですが、それだけとは私は思えないんですよね。ゼ―ネシア様達は何か心当たりはありませんか」


「そうですね……私は精霊使いと戦ったことはまだありません。精霊同士の戦いはありましたが、これはひずみの原因となるのですか」


「いいえ、精霊同士の戦いは特に関係ないですね。精霊使い同士が戦うことによって精霊と人を繋ぐ空間に負荷がかかりひずみが生じるというものなので」


「そうなんですね」


「しかしおかしいですね。いくら強力な戦いだったとはいえ、ここまでひずみが生じるというのは、私としては考えられません。他に何か原因があるような……まあ一先ずこちらの問題は保留としましょう」


「えええ! ちょっと待って下さいよ。この問題が一番大事なのでは?」


「ちょっと私だけでは話が進められません、数日前にもう一組、我がファイフォビスにいらっしゃった御一行様がいたので、その方たちをお呼びして再度確認させてください。今はちょっとファイフォビスの末端の方で確認したいことがあると出て行ってしまったので、少し時間が掛かりそうですが」


「その方のお名前は分かりますか」


「いえ名前は伺いませんでしたわ。金髪の方と少年と仮面を掛けた少女の三人組とだけなら分かります。それから一行の方々とはグラス様達とは違い直接会っていませんの。虚構を見抜きこっちの世界へ入ってきたさいに私が念話を送ったのですが、あまり反応がされず、ただ都市を徘徊させて欲しいとだけ……私達も特に怪しい行動をしなければいいかと放っておいたのですが、よく考えればここにたどり着けるなんてすごい方々なのかもしれません」



「それってもしかして」


 そう言いながら僕はゼーネシアさんの方を見る。


「ええ、恐らく師匠だと思いますね」


 丁度よかったセルファシアさんを始めとして勇者パーティーの一行には言いたいことがたくさんあったんだ。ここが正念場になりそうである。


「分かりました。そしたらその一行がこちら来るまでここで待機しています」


「申し訳ありません。是非ともゆっくりしていてください」


 そして僕たちは精霊女王セレネティリア様の客室に案内されて、勇者パーティー一行を待つことになったのであった。


「面白かった、続きが読みたい!」


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