始まり。
あ~、連載です。
どれかの連載が終わるまで、連載をしないつもりでしたが、仕方無いと思って諦めることにします。
クローズβ。所謂、テストプレイってやつだ。僕は、神の箱庭2、通称GoG2のそれをプレイすることになった。
絶賛サービスが開始したばかりのGoGの初回販売抽選から外れた僕の所に、その連絡が来たのは昨日の事だ。正直な所、驚いた。それが一番最初の僕の感想だ。次に溢れてきたのは、歓喜。いや“それ”としか僕には言い表せれない。それ程の事だった。
社外への情報漏洩の防止の為に、GoGを運営する会社で一週間寝起きすることになったけれど、そんなことは今の僕にとって些事でしかない。
早速、宿泊するための準備を始め、本社へ向かったのは、GoGが正式サービスが昼から開始する日の朝…、つまりさっきだ。
「事前説明などの諸々の手続きの為に、午前九時に本社に来る様に言われて来たけど…。」
そんな訳で本社ビルに到着した僕の目の前には、悠然と聳え立つビル群の一つ…。ふぇ~…、田舎っぺにはきついよ~…。
「こ、ここでウジウジしても仕方ない。行こう!」
そうして、一歩を…。一歩をふ…。無理無理無理!!え?何この緊張感?!きついきつい!!!(ただいま混乱されております。)
「・・・・・!!!」
ん?空耳?
「ねぇってば!!聞こえてる?!」
「へ?」
空耳だと思って、聞き流していたけれど、どうやら違ったみたい。間抜けな声を出して、恐る恐る後ろを振り向くと、そこには人形がいた…。
「ぎゃああぁっぁぁぁ!!」
「ひゃ、きゃああ!」
緊張のせいで、幻覚が見えるようになったのかぁああ?!
「急に大きな声を出さないでよ!!ビックリするじゃない!」
「しゃべったぁぁっぁぁ?!」
バチン。
「ほえええええ?!!!」
え?叩かれたなんで?どこ?え?
「急に喋らないで。いい?」
…。
「はい。」
バチン。
さっきより痛い。
「私の許可なく喋らないで。いい?」
「は…!」
あ、危ない。セーフ、セーフ。無言で頷きますので、どうか振り上げようとした右手をお納めくだせぇ。
バチン。
「はぁあん?なんで?!」
何で?!何も喋って無いじゃんじゃん!
バチン。
「許可なく喋らないで…って私言わなかった?」
言いましたね…。でもさ、でもでも、でもさ?
「ちなみに一回目に叩いた理由は、私を人形と言ったから。」
え?急な自分語りですか?
「二回目は、最初私を無視したから。」
あ、しないんですね…。
「三回目は、あなたが苛めたくなる顔をしていたから。」
おい待て。おーい待て。
「四回目は、叩かれて興奮したあなたの顔に興が乗ったからよ。」
な、なんだと?!僕にはそんな性癖があったのかぁ?!
「さて、変態さんも、あそこに用があるの?」
た、確かに黒髪ロングの彼女に頬を叩かれた時、僕はこここ、興奮していた?い、いやそうじゃないだろ。僕が変態なんて、そんなんじゃあないから。彼女みたいな清楚な人にS気味に罵られたら、誰でも興奮するだろ。うん。僕はノーマルだ。
よし!結論も出たし、さぁ!もう一回罵ってください、なんでもしますから!
「その耳は飾りなのかしら?」
痛いです。ミミ、ヒッパラナイデクダサイ。
「返事もできないなんて、とんだ愚図ね。」
あれ?もう辛いだけなんですが?言ってることがもう逆だね。はっ?!つまり僕はノーマルってことだね!やったね!僕は一つ賢くなったよ。
「愚図なんて、貴方には勿体無かったかしら?ゴキブリさん?」
何で初対面で僕こんな罵倒されてるの?大体君が、許可なく喋るなとか言ったじゃん。自分の発言を覚えてないんですかね?あれですか?お偉いさん特技記憶にございませんですか?記録しとけってあれほど言ったじゃないですか…。それに…。
「それは聞き捨てならないな。」
「あらやっと、会話ができそうね。さっきまで、生まれたて小鹿みたいだったのに。」
くっ。黙っていればいい気になって!ゴキブリだと?それだけは、許せねぇ!
「僕はゴキブリ程しぶとくないからな!ガラスのハートなんです。」
そうだ言ってやる!
「だからもっと優しく労わる様に苛めてください。」
「「は?」」
あれ?今…僕はなんて言ったんだ?
「変態。」
「違う!」
「変態。」
「違うから~…。」
彼女は、それだけ言って僕を置いて、目の前の本社ビルへと入っていった。
「ちょ、ちょっと待って~。」
これが僕と彼女の始まりとか無いよね。青臭い感じのボーイミッツガールがしたいのでやり直しを求む!
え?無理?ちょっとそこを何とかなりませんかね?
感想・誤字脱字などお待ちしております。