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4 ダメ絶対(意味深)

※本作はフィクションであり、例えアホな子であっても(というか、絶対に現実では)やってはいけないことがあるのでご注意をm(*_ _)m

「ふんふんふ〜ん♪雪菜ちゃんとデート〜♪お泊まりアフター♪」

「ちょっと、変な歌歌わないでくれる?ていうか、デートじゃないから」


小声で囁くように歌ってたら、物凄く睨まれた。

む〜デレ期が遠いよ〜

最近のラノベだとデレてる作品が大多数なのに、雪菜ちゃんは元祖なツンデレさんなのかな?

今だとクーデレ?

もしくは、ポンコツ令嬢的な?

あたっ……


「誰がポンコツよ、アホなこと言ってないでここで電車来たわよ」


むむ、DVだよ!

今のは紛うことなきDVだよ!

離婚した時のために証拠残しかなくては……


「……って、私、雪菜ちゃんと離婚したくなーい!」

「ちょっと、いい加減にして」

「はい、すいません」


しゅんとしながら、電車に乗る。

ふむ、分かってはいたけど、男性からの視線を集めてるねぇ……私、今この瞬間はきっと空気だよ。

マイナスイオンだね。


「そういえば、雪菜ちゃんは痴漢されたことある?」

「……なんで、電車に乗ってる時にそれを聞くの?」

「いや、何となく」


そこからラブコメに派生してないかと思った……なんて言えないねぇ……


非エロなら、痴漢から助けられてラブコメパターン。


微エロなら、痴漢を受け入れてむしろ攻めるパターン。


そして、R18指定なら……おっと、ここから先はタダでは教えられないかなぁ……詳しくはwebで!


雪菜ちゃんチョロいし、むしろそこで恋してそうだから念の為聞いたけど、まあ、ポンコツだし大丈夫だよね〜


「聞こえてるから。というか、電車にそんなに乗らないからそんな経験ないわよ」

「だよね〜」

「逆に、あなたはどうなの?」

「え?私?勿論、あるよ〜」

「え?」

「え?」


互いに顔を見合わせて首を傾げる。


「……本当に?」

「うん、中年くらいのおじさんだったかなぁ……お尻を触られて、思わず振り返って、股間を蹴りあげちゃった♪」


それはもう、見事なシュートを決めたぜ☆

その発言が聞こえたのか、近くのスーツ姿の男性が震え上がっていた。

え?そこはか弱い私にときめく場面じゃない?


「いや……それ、本当にダメじゃない。というか、よく咄嗟にそんなこと出来るわね……」

「うーん、まあ、怖かったけど、息臭くて正気になれたんだと思う。あと、加齢臭凄かった」

「……そういうことは、黙っててあげなさいよ……」


まあ、か弱い女の子なのであれは本当にマグレだったけど、やっぱり皆欲求不満なんだねぇ〜

こんな地味子にまで手を出すなんて、どうかしてるよ。


「あなたの場合、その無駄な胸のせいじゃない?」


まるで親の仇でも見るみたいに私の胸を凝視する雪菜ちゃん。

そ、そんなに見つめるなよぉ……


「もう、しょうがないなぁ……雪菜ちゃん、いつでもいいよ?」

「いや、揉まないわよ」


なんでー!

せっかく私は心の準備が出来たのにー!


「はぁ……まあ、とにかく気をつけなさい。あなたみたいにちょろい子は絶対狙われるんだから」

「ふふ、雪菜ちゃんなんだかんだ言って、心配してくれてるだねぇ〜」

「……そんなことないから」


おやおや、その誤魔化し方はどうしたのかなぁ?

隠しきれない愛情がこぼれてるぜ☆


「なんか、日に日にウザくなるわね……ていうか、他の子にはそんな風に絡まないくせに何で私にだけそうなのよ」

「ん〜、好きだから?」

「え?」

「え?」


またしてもお互いに見つめあって首を傾げる。


「好きって……」

「うん、好き〜。雪菜ちゃん大好きだよ〜。ていうか……私のこと意外と見ててびっくりだよ〜」

「そ、そんなことないわよ……」


めちゃめちゃ目が泳いでますやん。

クロールどころか、平泳ぎや背泳ぎ、果てはバタフライしてますやん。


「ふーん」

「な、なによ?」

「べっつに〜」


ニマニマしていると、ポコポコと何故か弱々しく叩かれる。

やだ、キュンとしますん。

そうして、雪菜ちゃんと戯れているのだが……ふと、止まった駅で入口からから入ってきた中年くらいの男性と目が合った。

どこかで見たことあるような気が……


「うーむ」

「どうしたの?」

「いやね……」


雪菜ちゃんに聞こうと思っていると不意に天啓が降りたように思考がクリアになる。

そうそう、あの人は確か……

向こうも気づいたのかギョッとしている。

あぁ……やっぱり玉蹴りの時の人かぁ……

私を見ると恐れながら、股間をガードして別の車両へと逃げていくおじさん。

まあ、あれは痴漢への正当防衛だから許してちょ。

その後、特にイベントもなく電車を降りるけど、私と雪菜ちゃんが去った後に妙な空気が車両で話を聞いていた男性陣に漂っていたとは私は知る由もなかった。

そんなことよりデートを楽しまねば!




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