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第11-1話 初級術師、アイテムを溜める

 

「ふぅ、ちょっと疲れたな~」


 先日から王都各地で発生している”人体消失事件”……勇者アロイスさんたちと協力して事件の捜査と、黒幕である魔族レイラの居場所の調査。


 ついでに被害者の治療と、僕たちは結構忙しい日々を送っていた。


 それに自分たちのお店の営業もあるので、少しみんなオーバーワークになっているかもしれない……。



「よし! 今日はみんなにリフレッシュしてもらおう!」


 僕の目の前には大量の食材!


 疲れのたまっているみんなにスタミナをつけてもらうために、今日の夕食はがっつりメニューでっ!

 僕はエプロンをつけ、腕まくりすると食材との格闘を開始した。


 まずは数十キロの豚バラ肉の塊を厚めにスライスしていく。

 たっぷりのニンニクと、酒、みりん、ソイソースで作ったタレに豚肉を漬け込む。


 その間に豚レバーを下茹でし……。

 たっぷり味のしみた豚肉を炒め、長ネギを加える。


 ここで加えるのはマンドレイクの根……1かけ300メートルと言われる究極のスタミナ食材である。

 後は大盛りどんぶり飯に、炒めた豚肉をたっぷりと乗せ、生卵をポンと落とし、タレを掛ければ……完成!


 これぞ、グラス君特製、究極のスタミナ丼であるっ!


「グラスが生まれる前は、夜の戦い(意味深)にそなえて毎日食べたものよ」


 と母さんも言っていたので、効果は抜群である。

 ポゥたちがお店から帰ってくるまで、僕は大量のスタミナ丼を作り続けるのでした。



 ***  ***


「グラス! はふはふ……これ、とても美味しいよっ!」


「にしし……ニンニクペーストとマンドレイクがいい味出してんじゃん、体が熱くなるね♪」


「あらあら……こんなスタミナ料理を。 ……グラスくん、まさかポゥちゃんと今夜()()を?」

「お赤飯、炊いとかないとね~」


「くっ! 貴族(風)であるわたくしが、こんな庶民料理など……あうっ! 美味、美味ですわッ!!」


 楽しい夕食タイム、ポゥたちは笑顔で競い合うようにスタミナ丼を食べてくれている。


 ヴァンさんは微妙に勘違いしているようですが……ちがいます! 今日は勝負しません!

 ていうか、この家で”勝負”したらみんなに筒抜けだし……。


 本当の”勝負のかけどころ”に悩む僕なのでした。


 その間にも数十キロのスタミナ丼はみんなの胃袋に吸い込まれていき……。



「ぷはぁ~! お腹いっぱいだよぉ~ありがとうグラス!

 わたし、お茶入れるねっ!」


 満足そうなポゥの吐息をシメとして、すべての食材が完食となるのであった。


「ふむ……恋人たちの”作戦前メニュー”として、無臭ニンニクを使ったスタミナ丼をメニューに加えるのはありかもね~」


 カフェレストランの新メニューを考案するヴァンさんは僕が伝えたレシピをもとに、キッチンで色々試行錯誤している。



 僕とポゥ、エル、リーゼはリビングでポゥが淹れてくれたお茶を飲みながらまったりしていた。


「そーいえばグラス、遠くない将来に魔族レイラの奴と決戦するじゃん?

 そんときは勇者サンのパーティ以外にも協力してもらうかもしんないし、上位アイテムを作り溜めとくべきじゃね?」


 クッキーをぱくつきながらお茶を飲んでいたエルが、いつになく真剣な表情で切り出す。


「確かに! 数十人規模で戦うとなったら、グラスのDヒールとか、わたしたちの回復パワーだけじゃとても手が回らないもんね!」


 即座に同意するポゥ。


 ……ん? この流れは……マズくない?

 ”貞操の危機”を感じて思わず後ずさる僕……。



「にしし、グラスぅ……”前”をじっくり攻めれば、”グランエーテル”が出来ることは、調べがついてんだよぉ!」


 すらりと輝く生足、その足先をワキワキさせながら僕に迫るエル。


「あうあう……これもみんなの安全のため……仕方ないよねっ!」


 がしいっ……と僕の頭をホールドすると、顔を近づけてくるポゥ。

 その桜色の唇がわずかに開かれ、透明な唾液に濡れた舌先が覗く。


「へへへへっ……エリクサーも作らないとな! グラスっ! リーゼの脇腹を責めるんだ!」


「ちょっ、あなたたち……ひゃううううっ!?」


 エルの声に、傍観は許さないぞとリーゼの脇腹を掴む僕。

 そのまま4人の影が重なって……。


「……あらあら、この子たち……風紀が乱れていますね」


 レシピを作り終え、リビングに戻ってきたヴァンが見たのは、数個のグランポーション、グランエーテル、エリクサー。


 それに、重なり合って息も絶え絶えにノビる4人の姿だった。


 僕の身体、本当の意味で持つかな?


 グラスとアイテム娘たちの、上位アイテム生産活動はまだまだ続く!!


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