第13話 空と街道
間が空いてしまってすみません。
ミルアは村の皆に黙祷を捧げ終わり立ち上がる。その姿は前を向いて生きていくという強い意志が見てとれた。
「…これから、どうするのです?」
「そうだな、此処から数十km先に街道があると聞いたからそこへ向かい街に行こうと思う」
「…街」
「これから先生きていくなら必要な物もあるだろうし、な」
「…分かりました。それで、どうやってそこまで?」
「それは…ルン!グリフォンになってくれ!」
『はい!主さま!…《擬態》』
祐太の言葉で捕食したグリフォンに《擬態》するルン。
「これなら、森を突っきるより早く街道に出れるだろう?」
「…ルンさんは捕食した魔物になれるのですね…」
「後は俺が風で補助するから通常よりも速く飛べるだろう。ってな理由で早速行くか!ほらっ」
「…あ、は、はい」
グリフォンに《擬態》したルンの背に乗りミルアに手を差し伸べミルアの手を取り後ろに乗せた。
グリフォン形態のルンは羽を羽ばたかせて宙を浮く。それに合わせて祐太は部分的に風を起こし飛行の補助を行う。
グングンと地面から離れ飛行に最適な高度まで来たら目的の方角に飛び立った。ミルアはこんなに高くまで飛ぶことが無かったから軽い悲鳴をあげながら祐太の背にしがみついた。
「…っ、…あれ?」
頬を伝う柔らかな風で目を開く。ものすごいスピードで景色が流れていくのに自身が受ける風はとても柔らかく心地よかった。
これは祐太が魔法により風の流れを操作しているからである。ミルアは怖さが和らいだのか流れていく景色を観ながら風を感じていた。
「ミルア、大丈夫か?」
「ん、大丈夫です…凄いですね、ユウタさんもルンさんも」
「そんな畏まらなくて良いぞ?…それに俺もルンの存在には助けられてるよ」
『そんなこといわれたらてれますよ〜』
「って言っても実際助かってるしな」
「…ふふ、本当に仲が良いですね」
「まあな…――なにか来る」
わいわいと話しながら空を飛んでると何かの気配を感じた。
祐太は上を見つめた。祐太達の更に上空からこちらに向かって飛んでくる存在を見た。
「…うそ…ウィング・ドラゴン?」
「ミルア知ってるのか?」
「…この山一帯の上空に棲息してる魔物です…。」
――ゴガァアアアアアッ!!
ミルアが説明をしてると、空気が振動するほどの咆哮をあげ更に速度をあげ近づいてくる風竜。大きな両翼を羽ばたかせ猛烈な暴風と可視化された風の刃を祐太達に放つ…が、
「…ぬるい、な」
そう、一言呟くと祐太は片腕をあげ斬るかのように横に薙いだ。すると向かってた暴風と風の刃は霧散し更には風竜も猛烈な風に扇がれたかの様に身体のバランスを崩した。
「ルン、ミルアを頼んだ」
祐太はルンに言葉を残すと飛び上がり、態勢を立て直した風竜に向かって飛んでいった。
風竜は自身の攻撃と更には自身すらも揺るがした相手が向かってくるのを視認し湧き上がった恐れを蹴散らすかの様に咆哮をあげ口内に魔力を集束させていく。
その様子を見た祐太は速度をあげ風竜に接近する。それと同時に口内に圧縮した空気の塊とも言えるブレスが――上空に放たれた。
祐太は自身にブレスが放たれる前に風竜の顎をかち上げる様に風玉を放ち射線を上にずらした。そして無防備となった風竜の首に三重に重なった風刃が飛び風竜の首を落とした。
「…すごい、ウィング・ドラゴンをあんな簡単に…」
改めて祐太の戦闘を見たミルアは唖然としながらも感嘆の声を出す。
地に落ちた風竜をルンに捕食させ改めて街道を目指し空の旅を続ける二人と一匹であった。
**
雲が流れ、山並みが変わり、鬱蒼とした木々が疎らになり出した。
空の旅を数時間続けてた二人と一匹の目に遠くへと伸びる街道が見えた。
「ふぅ、やっと街道に着いたな。ルンありがとうな」
『いえいえ!おやくにたててよかったです!』
「…ありがとう、ルンさん」
高度を下げながら街道へと降り立つ。
「さて、街はあっちかな」
そう言いながら歩を進める。先程、空の上から馬車が街道を通ってたのを遠目で見てたのでそっちの方向に街でもあるだろうと当たりをつけてたのだ。
「…飛んでいかないのですか?」
「まぁ、それもいいけど、旅をしてるって感じも悪くないかなってな。ミルアは空が気に入ったのか?」
「う、はい…」
少し恥ずかしそうに俯くミルア。それを見て祐太はルンに頼んでミルアを乗せゆっくりと遊覧飛行するように飛んだ。
楽しそうに遊覧飛行をしてる二人を見て地上から微笑ましく眺めてた祐太だったが、
「…っ、ユウタさん!」
『主さま!』
「どうした?!」
二人の声に驚き声をかける。
「…遠くで馬車が…!」
またもや、ゆっくりと旅する暇もなく問題が起きたようだ。
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