episode2 【初魔法】
「ん…ここが異世界…?」
気が付くと平原に一本佇む木の陰に横になっていた。てかさ。なんにも持ってないんだけど?お金もないし。まあ元の世界のお金は使えないだろうから荷物無いのはいいんだけどさ…
「とりあえず街に向かってみるか」
「【創造】」
これで発動したらしい。えっとそしたら…
「街までのルートを教えて」
あ、わかる。魔法便利すぎないか??漫画見ても思うんだからそりゃそうなんだけどさ。
歩いておよそ十五分くらい。木造のまあまあ豪華なログハウスが見えてきた。と同時に目の前に魔法陣が出現して、一枚の紙が落ちてくる。さすが異世界って感じだなあ。えーっと…?
『スローライフしたいってことだったから目の前にある家用意したから使っていいよ。食料とかお金もまあまあ置いといたから。僕に連絡できる電話も設置しといたから何かあったら使ってね~。たまにこっちからかけるかも☆そんじゃね~ ロールより』
なんだろう。ありがたいよ?ありがたいんだけど少しむかつくのはなんでだろ…
ログハウスに入ってみると個室ニ部屋にリビングという感じで、屋根裏は物置だった。僕だけかな?屋根裏って秘密基地っぽくてなんかテンション上がるよね(?)
引き出しの中にお金っぽい木のメダルも入っていた。置手紙によると『M』と書いてそのまま『メダル』と読むらしい。一円と一Mは同じ価値らしく安心した。なんなら物価安いらしい。計算とかめんどくさいからね。うん。ほかにも冷蔵庫とかに食材が入っていた。でも一週間くらいしか持たなそうだ。というかMも余裕ないし…
「やっぱどの世界でも金が大部分を占めてるんだな…」
幸い一週間は持つんだし、その間になんか稼ぐ方法見つかるでしょ。てか見つからないとやばい。餓死する。うん。
次の日
鳥のさえずりで目を覚ました。なんか洒落てるよな。これが異世界パワーか(?)
とまあこの話はタンスの角にでも埋めておいて、なんか食べたいのでとりあえずキッチンに向かう。というかなぜか体が軽い。ベッドが怖いほどふかふかだったからか?
「・・・」
僕は今人生製最大の難問に真正面から直撃している。そう。コンロがないのだ。多分どっちも異世界にないんだから一個くれたらニ個目渋る理由ないじゃないですか!と少し怒りながら悩んでいたら不思議なものを見つけた。
「鉄の…板?」
鉄の板がキッチンのテーブルにくっついていた。ご丁寧に周りが曲がって皿のようになっている。なるほどねー…そういうことですか。物は試しだし、やってみるか。えーっと確かロールが
『魔法は詠唱と名前がセットでようやく発動するんだ。無詠唱とかは実力じゃ無理ってことだね~。ま、ということで頑張って覚えてね?』
とか言ってたよな。そしたら…
「【創造】 料理に最適な火の魔法の名前と詠唱を教えて」
よし。なんか初の魔法って変に緊張するな…それじゃあこの鉄の板に卵を割り入れてと。
「~火よ導け~【ファイア】」
言い終わると度叔父に、右手の人差し指から火が出てきた。そして数秒後に止めてみると…
「おー!できた!」
見事に卵が焼け、こんがりとおいしそうな目玉焼きが完成していた。なるほど。この世界ではこうやって火を使うのか。慣れるまでには時間がかかりそうだな。ま、初めてにしてはいい出来なんじゃないか?
とりあえず置いてあった塩で目玉焼きだけだが朝食を食べる。悲しいことに醤油はなかった。あってもいいじゃん…ま、無いものねだりは時間の無駄なのでさっさと食べる。
食べ終え、案外塩も悪くなかったなとか思いながら食べたお皿を片付けたらやることが思いつかなくなった。というかさ。昨日からずっと思ってたんだけど…
「暑い…」
そう。なにせ夏なのだ。この世界どう考えてもエアコンなんて文明の利器はないだろう。実際このログハウスにないのが証拠。無いものねだりは時間の無駄とか言った気がするが、命に関わるからそんなこと言っている場合ではない。なにか涼しくなる方法ないものか…あとはまあ期待してないけど一応やってみるか。
「【創造】 エアコンの入手方法を教えて」
「・・・作れ?」
作れかあ…なんともサバイバーな回答。いや世の中できることとできないことがありまして。中学生が思い付きで作れるものなわけないじゃん…?作れたらエアコン業者に失礼だよ(?)
少し考えらたら、いったん常識を捨ててやってみるのもありなんじゃないか?とか思ってきた。なんもやんなかったら死ぬだけだし、なら砕けてほしくはないけど当たるのが正解なのではないか?てか、
「現実的に作れそうなエアコンの作り方教えて」
…魔法で作れるらしい。エアコン業者さんごめんなさいなんかできそうです。
よし。やってみる価値はありそうだし、ひとまずの目標が決まったな




