第10話 ルミナセレスティアル
ーーーカンカンカンカンカンカン
ーーーガンガンガンガンガンガン
ーーーカンカンカンカンカンカン
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
どんな痛みよりも、今が一番怖い。
ルミナセレスティアル
彼は、乙と同じ顔をしていて、輪郭も目も声もすべてが一致している。肌は死人のように白く金色の瞳には感情が見えない。俺の顔で破壊の笑みを浮かべていた。ルミナセレスティアが俺を見下ろし嘲笑っていた。
「選択の余地はない。サラブレッドにも勝てない愚せものが。お前がなぜセレスティアルに値するのか私には理解不能だ、どこからどうみてもこの世のクズではないか」
俺は何も感じなくなっていた。腹からは血が出ていてサラブレットにぐしゃぐしゃと犯されているのにその感覚さえもなくなっている。ルミナセレスティアルの威圧が、話すごとに死に近ずくようで言葉も発せない。
「、、、ル、、ミナ、、俺は何したんだ」
「私との統合がどんな奴かと思ったが、胸糞が悪りいいいいい!!!はあはっはっはははひはははは私の前からも消えてもらう」
「、、、統合?はあ、、何、言って、、、」
ルミナセレスティアルは乙を抱きしめるように、一瞬で俺の身体を失った。
「完璧で完成は私だ。喜びなどいらん、排除と美徳、私は完成にいるんだ、完璧より上というのは私のことだ」
ーーーカンカンカンカンカンカン
ーーーガンガンガンガンガンガン
ーーーカンカンカンカンカンカン
助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて
血、血、血、血、血、血、血、血、血、
ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、
欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい
サラブレットは血に塗れていて一滴も動いていない。俺はふらふら立ち上がり、サラブレットの身体を投げ付け血眼から貪り骨の髄まで啜り合う。星牙が俺に視線を寄せているが、恐怖で動けないでいる。
「乙くん、、乙くん!!!どうしたの、乙くん!!!!」
「ああああ?ああああ、ああああああああ?」
だれだ、だれだ、だれだ、だれだ、だれだ、だれだ
「あああああああああああああああ!??!??」
「ルミナに飲み込まれるな、乙くん戻ってきて!!!乙くん!!!」
俺はしゃぶる手を止め、星牙の喉を鷲掴みした。
「、、、はあ?、、だれだ」
星牙は俺の手をぎゅっと握った。なんだか温かい景色が走った。
「ルミナに、、記憶も食われた?乙くん、星牙だよ、、君を買ったんだ、あの日スーパーで」
記憶が渦巻いて巻き戻されるように脳幹に、直接攻撃で断片的に遡る。
「ーーっっああ」
(あぁそうだ、あの時俺は感じたんだ。熱い、心臓が、温かい、あんな狭くて救われない絶望から全てを救ってくれたんだ。あの日の俺が知らなかったもの)
「ああ、、そうか、、嫌なんだ…もう、あんな思いしたくないんだ、星牙のことを忘れたく…ないんだ」
「乙くん、乙くん!!!」
「、、、はあ…っつ」
「乙くん、ここに来て」
両手をたくさん広げた星牙は俺の手を引き、胸の中へとダイブさせる。温かい、心地いい。
いつの間にか一緒に過ごして、一生に歩いて一緒に乗り越えて、一緒に笑ってた。そうか星牙に手を引かれてたんだ。そんなお互いリコルとヴァルエイターだけど人間みたいなことをしてる当たり前が戻ってきた。俺は途端にポロポロと涙が伝ってきた。
「乙くん、僕はどこまでも乙くんの為に存在してるよ。だからたくさん泣いていいよ」
その後のことは覚えていない、ただ血の匂いと抱きしめる腕がきつかったのは俺にとって最愛だった。
「はあ、乙くんの匂いだ、、」
「ルミナセレスティアルに殺された、言葉も発せなかった」
「、、、ルミナセレスティアルに会ったんだね」
「すごく残虐だったのは覚えている。だけど何をされたのか思い出せない」
「思い出さなくていいよ、ルミナは乙くんの最愛だから安心して」
「最愛?殺されたんだぞルミナに。怖くて、痛くて、、、」
頭を抱えて乙くんは吐くように嗚咽する。
「乙くん、安心して、僕がいるから」
星牙は俺を宥めるが、何にも声が届かない。効果はなくなっていた。
「やっぱりわからないんだな、お前にも」
空虚で虚ろな目が飛んでいた。ここからはもうヴァルエイターに残虐に遊ばれるんだ。
「、、、乙くん」
「お前もヴァルエイターだもんな」
俺は星牙をつき払う。星牙をどう使ってやろうか、俺のためのゲスな犬になれよ。どこまでも痛みを与えてやる。
「ははっっははははははっっはっはははっっはああはっはっは」
脳内で星牙を犯す、腕をもぎり、鈍器で頭部をぶっ潰したり、腕、首、耳、腹部、片足、足首から切り落としバラバラでぐちょぐちょになるまで抉るのが快感だ。あー憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、気持ち悪い。
「乙くん、、、初めて乙くんを買った日と同じこと考えてるでしょ」
なんでわかるんだよ、お前は俺のなんなんだよ。
「ーーそうだな、ルミナセレスティアルにお前を利用してもらう、いいんだろ?」
冷酷な目で発するが、星牙はむしろまた加速してきた。
「そうだね、、僕の生を存分に発揮してよ。乙くんはさ僕本当の姿見てないよね?どんなことで興奮してくれるんだろ!!どんな僕でもいいんだよね?そんなの嫌?うそ、どんなのして欲しい?僕と一緒にしてくれるううう???」
やばいここまで血肉の匂いを放ってる星牙初めて見た。ヴァルエイターの真髄に触れてしまったかでもいいや、このままどこまでもどこまでも堕ちよう、上等だ俺とお前で交換しようじゃないか。俺のために生存しろよ。星牙はヴァルエイターの殺気を纏って、俺が逃げてもどこまでも追いかけてくる、必ずだ。これは俺と星牙だけの共鳴だ。




