第三話:天賦
人が往復している廊下に、すごく目立っている少女が歩いている。
腰の辺りまで伸びた髪は金に輝き、長い睫毛に縁取られた瞳は燃える炎の赤。
すらりと通った鼻筋、桜色の唇。
周りと同じ制服なのに、ただ、立っているだけで違うさ表面する美しさは少女に纏めている。
少女は1つの看板前に立ち、微笑んでいる。
『オフィリア、おめでとう、今回も完璧に1位を取ったですね、ちょっとだけ知恵を分けって欲しいわ』
『そんなことないよ、今回もギリギリで答えを覚えただけですよ』
少女はいつものように周囲に対応しながらも、目は依然として看板を見ながら何かを探しているようでした。
『今回も同じですか…』
少女は看板に興味がなくしたように、帰り道しよとの瞬間、予想外の衝撃を受けた。
『オフィリア!おめでとう!今回も素敵だわ』
まるで少女が増えたように、1人少女の分身とでも見える人が少女抱きしめた。
『お姉さま、びっくりさせないでくださいよ』
『ごめんごめん、がんばったオフィリアを見たら、つい、体が先に動き出した。よく頑張ったよ、愛しオフィーリア~』
もう体だけでなく、今回は顔までくっつけて来るような親密な体勢、少女はようやく反抗した
『恥ずかしいです、姉様、放してください』
『照れやしなくてもいいのに、はい、はい』
解放された少女は、少しの間をとって、やっといつも通りの状態に戻した。
『ごきげんよう、オリアン姉様、会いに来てくれて嬉しいわ』
『うん、ごきげんよう、オフィリア、今日も素敵ですよ、さすが、私の自慢の妹だわ』
少女、オフィリアと挨拶しているのは、少女の姉、オリアン。周りから見ると、同じ人が2人いるような光景。敢えて違うと言えば、ヘアバンドの花色が違いがなぁ、姉の方、オリアンは赤。そして、妹の方は青。2人の分別方法はこれしかない。
『これで9回連続ランキング1名だね、妹でありながら、恐ろしいわ』
『…そんな大したことではないわ、受けた教育の賜物です』
『そっか、でも、これ全部オフィリアの実力ですよ、そう謙遜しなくてもいいんじゃない』
『はい、これからも努力します、先に失礼しますわ。お姉さま』
少女は心の中にの疑問を抑えながら、いつも通り振り返せず、歩き出した。