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孤島奮起  作者: つふら
鶏と山羊と牛があらわれた
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57/126

更に奥へ遠出

11/21



今日は待ちに待った3回目の探索日。




初回では色々と新しい食材を見つけた。


けど2回目は前回の探索はあまり真新しい食糧の発見はなかった。拠点から徒歩一時間くらいの場所に池を見つけた程度。池に蓮が自生していたので、蓮根が手に入るかもしれないと思ったがやめた。思ったより深めなのと、サファイアが獲ってくるワニがいそうな気がしたのだ。


やっぱり2回目の探索でも赤紫蘇はなかったので、梅は塩漬けにしてみている。うまくいくといいけど。



まずは今日の朝食。


獲れたて猪のホルモン焼き、ヘビ肉の竹串焼き、干し魚と干し肉と干しキノコのスープ、芋蒸し、焼きバナナ、果物盛り合わせ。


ダメになりそうな食材を出来るだけ優先的に使い、品数を増やして栄養が偏らないよう毎日やりくり。意外と楽しいんだよな。



「さて、皆様、準備は宜しいか?」


先週と同じスタイルで、探索に出掛ける。メンバーも同じ。ダイヤの不満顔も同じ。



伐採済の木はレビルさんが全て拠点に運び、切り株も全て取り除かれ整地してある。馬車が通れる一車線道路くらいの幅の道だ。切り株は全てシャインが炉を使い木炭にした。


一時間ほど歩くと未開拓の場所に出る。ハナ曰く、拠点から6キロ弱とのこと。レビルさんの伐採スタート。


伐採され倒れる木の巻き添えにならない程度の場所で、俺達は採集を始める。


俺は果物。やっぱり目に付きやすく、すぐに発見できる。シャインとエメラルドは茸や山菜採りが楽しいらしい。ルルとハナは俺には皆目検討のつかない草を根ごと掘り出している。それごと拠点の畑に植えるのだ。お陰でうちの畑は止めどなく大きくなっていく。






拠点を出て3時間。ハナ曰く拠点から10キロほど。そろそろ拠点に引き返さなければいけないギリギリの時間だ。


「切れど切れど、森ですな。」


「ですね。」


「タケル殿。そろそろ戻りますか?」


「うん。今から拠点に戻らないと、暗くなって遭難する可能性があるから。」


「そうですな。」


少し残念そうなレビルさん。


「よし。おーい、みんなー、今日はこの辺で終わりにして戻ろう。」


「タケル、待って。もう少し行ってみませんか?」


ハナが言う。珍しい。 いつもは安全第一に動く人なのに。


「この先になんかあるの?」


「おそらく、海。」


「海?」


「歩いてあと15分ほどで海に着くわ。」


「よし、そんな遠くないし、行ってみよう。」


そしてハナの言うとおり、10分ほど歩くと潮の臭いがし、森は消え、砂浜になっていった。


「ほんと、海だわ。」


拠点近くの海辺と変わらない景色だった。


「やっぱり、そうなのね。」


「どうした?」


「海を眺めると何が見えて来ると思う?」


なんだ?哲学か?


「海を見て、見えるのは海ですな。」


レビルさん、自信満々に答える。


「前の国では、かなりの割合で遠くに島が見えるの。私には。」


レビルさんの意見を丸無視でハナは言う。ハナはアンドロイド。視力を銃のスコープのように倍率を上げられる。ハナ曰く、障害物さえなければ30キロ先までは、なんとか見えるそうだ。


そのハナが海以外に何も見えないと言ったのだ。


「レビル、この間海に向かって木を投げてと、お願いしたことがあったでしょ?」


「ああ、覚えておるぞ。珍しくハナが海に来て、お願いしたあの案件であるな。」


俺も覚えてる。朝、ハナが起き抜けの俺にいきなり『今日は一緒に海に行ってみたい』といいだし、一緒に行ったあの日のコトだな。その時、ハナが海につくなり『木を全力で海に向かって投げてくれ』と、レビルさんにお願いしたんだ。


レビルさんはそのあと、適当に木を切り、助走をつけてから木を海へ向かって投げ飛ばした。


俺の目には一瞬、木が空を飛んで行ったくらいしかわからなかった。


タオパ●パイも、こんな凄まじいスピードで動く木に飛び乗っていたのだなと。あいつ、意外と出来る子だったんだと、感動を覚えた記憶がある。


「まあ、構わんぞ。」


レビルさんが伐採した手頃な木を掴み、助走をつけて木を海に向かって放り投げる。


ブファン


木がものすごいスピードで海に向かって飛んでいく。


またタオ●イパイの事が頭をよぎる。スーパーとかゼットとかつく前、尻に尻尾がはえてる生物や、皮膚が緑の生物が現れる前のストーリー。記憶している人は果たして何人いるだろうか。


そんなことをぼんやり考えていると、ハナが真面目な表情で呟く。


「やっぱり。」


「どうした?何がやっぱりなんだ?」


やっぱりタオ●イパイの身体能力がすごいってオチなのか?


「今、レビルさんが木を投げたでしょ?」


うん。俺達は頷く。


「普通は慣性の法則で、海面に木が落ちるはず。」


それは、レビルさんの遠投能力が人外ってことかな?それは見てれば解るはずなんだけど。


「なのにレビルさんが投げた木が、何か硬い壁にぶつかったみたいに、木っ端微塵にくだけ散るの。」


え?くだけ散る?


「消えるんじゃなくて、くだけ散るの。」


「ハナにはそれが見えてるの?」


うん、とハナは頷く。


それってどういうことだ?


「レビル、ありがとう。さ、タケル、家に帰りましょ。」


ハナは言うだけ言うと、拠点に向かって歩き始める。


「ちょっと、ハナ、それだけだとわからないわよ。ちゃんと教えて!」


ルルがハナの右腕を掴む。


「ごめんルル。まだ確証がないの。もう少し調べたら必ず皆に伝えるから。」


「で、でも!」


「ルル、ハナの言うことを信じようよ。」


俺はルルの肩に手を置く。


ハナは何かを考えてる。そこを追及しても、きっとハナは壊れてでも話さないだろう。


「ほら、帰ろうよ。ダイヤがさみしがってるだろうしさ。」



俺達は帰路につく。


ハナの発言、気にならないって言ったら嘘になる。でも、今は考えるのはよそう。きっとハナはそのうち何を考えているのか話してくれると信じて。

タオ●イパイ、久しぶりに思い出しました。

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