表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤島奮起  作者: つふら
鶏と山羊と牛があらわれた
48/126

新居の生活、朝の巻

11/4


新居に来て約2ヶ月。


俺はベッドから足を下ろし、体を起こす。グッと背伸び。


スマホを開くと5:42の表示。ハナが定期的に充電してくれるんだ。


まだ寝ているレビルさんを起こさないようにして、そっと部屋を出る。外気温が下がってきたこともあり、レビルさんの赤ふんどしはここ最近、見てはいない。見たいわけでもない。


外に出ると、すぐ中庭がある。


俺の朝は水汲みから始まる。


木桶の作り方を知った俺は速攻で木桶を作った。竹と木だけで作れるなんて、知らなかったよ。それにショルダー竹筒より効率的に川の水を集められるからな。


桶が前後についている竹・・・ハナ曰く『担い桶』っていうらしいんだけど、それを肩にかけて川に行く。


この担い桶も俺が『そうだ!こうやったらいっぺんに水を運べるんじゃないのか?』なんて言ったらさ、ハナが『これは室町時代から明治初期にかけて・・・・・』と、Wikiped●a音声読み上げ機能のように話し出したもんだから、俺の面子もプライドもなくなってしまった思い出深い代物だ。


で、その担い桶で水を汲み、土間の側においてある陶器の壺に水を入れる。これは大きいもの好きドワーフが作ってくれたけど売れなかったヤツだ。


そうそう、川の水。もう煮沸消毒はしてない。ハナが水質検査をしてくれたら、飲み水として問題ないことが証明されたからだ。凄いなぁ、未来のアンドロイドは。煮沸の時間を返してくれ。


ってなわけで、2つあった大きな陶器個の壺、1つは川の水。もう1つは海塩作成用の海水が入っている。


竈に火を灯す。火打ち石ではない。囲炉裏の火種を入れるだけですんでいる。囲炉裏の火は今、ずっとつけっぱなしだ。何故かというと、夜間はずっとハナが火の番をしてくれているからだ。



「ハナ、おはよ。」


「おはよう、タケル。」


いつもの朝の会話。アンドロイドは睡眠しない。スリープモードといっても、2割くらいは起きている状態だ。なので、ハナが自ら火の番をしてくれているのだ。


「よく眠れた?」


「お陰さまで。ハナがいてくれるから安心して休めるよ。ありがとう。」


竈に火を入れる。


竈は大きな鉄鍋サイズにあわせて作ってもらった。そこに海水を入れ火にかける。海塩作りは毎日欠かせない作業だ。


「おはよ。」


「おはよ、ルル。」


ルルは俺より早起きだ。朝起きては犬と狩りに出掛けている。これも変わらない日課。


今日の獲物、ルルは鹿。ダイヤは兎、ルビーはなし。サファイアは蛇。エメラルドはキノコ。無論、獣系はルルが解体済み。


スッとルルは竹筒を俺に差し出す。わかってますよ。その中身は脳味噌ですね。


新鮮な鹿が手にはいると、ルルは脳味噌の蒸し焼きを要求してくる。猪よりも鹿の脳味噌が好物らしいから。俺はスッと竹筒を受けとる。


因みにいまだ獣の解体はチャレンジしていない。いいんだよ、ルルが出来るから。


さてと、調理だ。


朝食は大体、昨晩の残り物や保存食を調理したもの。あと朝、ルルと犬が捕ってきた獲物。


今日は、鹿肉の竹串焼き、クズ野菜と色々豆のスープ、兎肉と蛇肉の香草サンドイッチ、赤魚の竹筒蒸し、焼きバナナ、果物の盛り合わせと、鹿脳味噌の竹筒蒸しだ。


旧拠点の頃とそんなにメニューは変わらない。けど、石臼を作ったことによってパン・ソバなど麺類のような炭水化物も作れるようになった。


ハナも手伝ってくれるから、調理時間はグンと、減ったね。


あと、キッチン周りがかなり使いやすくなったな。雨風で火が消えるかもしれないドキドキ感、ここに来てから感じなくなったもん。


土間にお皿を4枚並べ、その上に昨日作ったもつ煮込みと今日の新鮮なモツを入れていく。



「おー、今日もうまそうですな。」


「・・・おはよ。」


ガリガリガリガリガリガリガリガリ


まて、お前達も今いれるから。土間の勝手口を開けると、犬達が飛び込んできた。


ハイハイ、おはよう。ご飯あるから落ち着け。ダイヤ達ももう立派な成犬だ。体長は1m以上になってるし、犬歯もかなりの鋭さだ。


はい、食べよう。


「「「「「「いただきます。」」」」」



ふぅ、俺の朝仕事が一段落したぜ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ