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孤島奮起  作者: つふら
子犬達があらわれた
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いざ食材開拓へ

子犬に名前をつけた。


灰色はダイヤモンド

薄茶色はルビー

灰色と茶色のブチはサファイア

焦げ茶色はエメラルド


エメラルドはメス、それ以外はオス。


子犬達、特にダイヤはウサギやリスなんかの小動物を狩っては、俺のところに持ってくる。


四つ足動物の捌き方なんてわからない。そのまま餌としてダイヤ達に渡している。


自分達の食い扶持を探してくるなんて、野生の犬は俺なんかよりもバイタリティーがある。


俺の方は相変わらず、食料(さかな)と水を確保し、残っている食材を考えながら、手探りで生きている感じだ。


そうそう、L字石垣で塞き止めている川に、ツタを入れて置くと魚の量が増えることがわかった。理由はわかんないけど。


魚が安定して捕れるようになったので、干物を作ることも多くなった。今はまだ大丈夫だけど、塩が着々と減ってきているのが気がかりだ。そろそろ海水から塩をどうにかして作る必要があるな。


子犬達が来てから一週間ほど、拠点近くからあまり離れることはなく、拠点近くの木や竹の伐採や、ツタの採集、魚の加工をしていた。おかげで、木材・竹の在庫がたくさんでき、それらの枝から焚き火の燃料も捻出することが出来ている。





6/18 朝5:28 天気 晴れ


今日は海岸を散策してみようと思う。ここに来てから約2週間、もしかしたら、何か変化や発見があるかもしれない。


俺が起き出すと、俺の周りで寝ていた子犬達も一斉に起き出す。


昨夜寝る前に干した半渇きのシャツとパンツ、ジーパンに着替える。


竹水筒ショルダー型と、魚捕獲用の籠と竹槍を持ち、L字石垣のある川辺へ。


浸けておいたツタの周りの魚を捕まえ、籠にいれる。捕り終わったら、その場で内蔵処理をし、拠点に戻る。


焚き火に火をつける。片方は鍋で川の水の煮沸消毒用。その水を水筒2本分、いつもの確保している。もう片方の焚き火で一昨日作成した干物を数枚、今朝捕った魚も数匹、竹串にさして焼く。その横に太めの竹筒を置く。竹筒の中には昨夜夕食の残ったキャベツの味噌汁が入っている。


つい3日ほど前に発見したんだか、竹筒の中に水分が入っていると燃えないのだ。今までは鍋に移して加熱していたが、こちらの方が洗い物も少なくなるし、使い終わったら焚き火の燃料になるし、楽でエコなのだ。


取り皿用に使っていたの弁当箱も、お弁当用の箸などもやめ、拠点内の食事の際は、竹を縦半分に割ったものや、竹を適当に細くしたものに変えた。



俺の朝食、魚の干物と、取り立て魚の焼き物と、味噌汁。

子犬達には取れたて魚の焼き物。生よりも食いつきがよい。


そうそう、子犬達のご飯用の皿は、拠点の屋根にも使用している大きな葉っぱだ。飲み水用の器は竹で作ってあげた。気に入ってくれている様子だ。



朝食後、火の始末。



リュックを背負い、竹槍を持つ。


よし、久しぶりの海だ。


出来れば新しい食材も手に入れたい。


7:02 海


やはり、ここに来た時と、なにも変わっていない。

岩場に行くのは潮がひく11:00頃にしよう。


砂浜は、本当に変わりなく、ヤシの木が転々とあるだけ。海の中に入るのは、避けたい。泳げないから。


浮き輪さえあれば、入ることは出来るが、どこから急に深くなるのか、潮の流れがどうなのか。泳げない俺にとっては、バンジージャンプより恐ろしい。やったことないけど。


元々海に入るのは選択肢にない。砂浜の探索に集中しよう。子犬達は砂浜を歩くのが初めてなんだろう、いつもみたいに駆け回らず、俺の後ろをゆっくりついてくる。あ、サファイアだけは走り回ってる。迷子になるなよ?海に行くなよ?



発見した。新しい食べ物。



海岸線より、やや陸地側にそれはあった。


バナナだ!バナナの木だ!


走り寄る。


ダイヤ達も走ってついてくる。


木の側についた。ジャンプしたくらいでは届かない高さにバナナの実はついている。


うーん。木登りなんて子供の頃以来したことがない。


他にもバナナの木はそこらに生えている。



一本位、大丈夫だろうか。



ワイヤーソーを取り出し、5mくらいの低めの木を伐採する。


高所のバナナをとる手段は追々考えよう。今日はまるごと持って帰ることにした。


バナナの木を担ぎ、川の分岐点に木をおろす。バナナが腐らないように傘を開いて影にしておく。傘が風で飛ばないように、ツタで木と傘の柄を軽く結んでおく。


潮が引き、岩場がむき出しになった。


「ダイヤ達はここにいてくれ。」そう、話かけると、


理解したのか、岩場について来なかった。サファイア以外は。


お前、本当に海とかに落ちるなよ?助けられないからな?

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