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君と僕の成長記録  作者: とえまる
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新たな命 2

花音のお腹も膨らんできたある日。


『今日、病院行くの?』

ソファに座っている花音に幸音が聞いた。

『うん!もしかしたら、今日女の子か男の子かわかるかもなの!どっちだろう…!名前も決めなきゃね!』

花音はお腹を摩りながらワクワクしていた。


『楽器やらせたいなぁ』

幸音がバイオリンの胴を拭きながら言った。

『なんの楽器やらせるの?』

『やっぱりバイオリンかな…。女の子だったら花音みたいにボイスレッスンにも通わせたい!』

『ボイスレッスンかぁ…。結構大変だけどね(笑)』

『大変な思いはさせたくないけど、経験値を上げた方がいいかなって…』

『でも、本人がやりたい!って言ったらやらせるのは?いやいややらせるのは精神的にもきついと思う…』

『まぁ、そうだな(笑)』









『どうです…?』

病院でお腹の中を検査すると幸音が病院の先生に聞いた。

『80%女の子ですよ』

『ほんとですか!?』

『はい。お父様はやはり嬉しいですよね!』

産婦人科の先生がニコッと笑った。

『はい…!』

『でも、油断はしてはいけませんよ?もしかしたら、男の子が産まれる可能性もあります。最悪なのは流産してしまうことです。』

『りゅ、流産ってなんですか…?』

『え、幸音知らなかったの!?』

隣で花音がビックリした様子で言った。

『流産っていうのは、赤ちゃんがまだ未熟児の状態でまだ900gほどの赤ちゃんが先に産まれてしまったり、産まれた直後息ができなかったり…。息をしてない場合、こちらで対応はしますがどうしようもないときもありますので…』

『そんなこと…あるんですね…』

『でも、それはほんとに稀なことなのでそんなに心配しなくても大丈夫ですよ。』




それから数ヶ月…

『はぁ…はぁ…!!い、い゛だい゛…』

花音が朝早く床に崩れてお腹を抑えだした。

『花音!?大丈夫!?病院行こう!』

『陣痛だから…!いつもの陣痛だ…から…!幸音は仕事…行って…!』

『は!?何言ってんだよ!こんな状態で仕事なんて行けるわけないだろ!?』

『大丈夫…!だから…!ぅぅ…』

幸音は花音の脇を持って立たせるとゆっくり進んだ。


幸音が花音を車に乗せる頃には花音は荒い息と『痛い…』しか言っていなかった。

『花音…大丈夫…?』

『むり……産まれるかもぉ…』

『ええ!車で!?ちょ、待って!』

『いたい…。いたい……』


病院について、車から花音を降ろすと花音が車輪がついているベッドに乗せられて連れていかれた。



それから何時間か待っていた。

幸音の母と花音の母が来ていた。

2人とも『花音がんばれ…』『花音ちゃんがんばれ…』とずっと祈っていた。

幸音もずっとソワソワしていた。自分が親になるかもしれない。上手く育てられるか。間違った方向に教えないか心配だった。


そんなことを考えていると、診察室から元気な産声が聞こえた。

『産まれたんだわ…!』

『よかった…。こんな元気な産声だったらきっと元気な子に違いないわ。』

母達は嬉しさでいっぱいだった。

幸音も言葉にできないくらい嬉しくて空いた口が塞がらなかった。


診察室から助産師の方が出てきた。

『あの…!女の子ですか…?』

『元気な女の子ですよ』

助産師の方がニコッと笑った。

『奥様と娘さんは、201号室の病室にいらっしゃいますから顔合わせしてみてはどうですか?』

(娘…)

幸音はその言葉にピンときた。


『花音!!』

病室の扉を開けると花音が笑ってピースをした。

『……花音……』

『どうしたの…?』

幸音がゆっくり花音に近づいた。

『ありがとう!!!』

『わぁ!!』

幸音は花音のことを思いっきり抱きしめた。

『ほんとにありがとう。お疲れ様…。よく頑張ったね…』

花音の耳元で幸音は花音の頭を撫でながら言った。

『素敵な家族…になろうね』

花音が少し照れながら言った。

『おう!…寝てるのか…?』

幸音は赤ちゃんに目を向けた。

『たぶん…。でもまだ目が見えないんだよね。』

『へぇ…。超小さいなぁ…』

『ほんとに小さいよね…』

『俺ら、同じ時間帯の同じ病院で産まれたんだよな…。今考えると俺らの母ちゃん息合うんだな(笑)』

『たしかに(笑)』

『あ、そうだ。名前どうする?』

『愛音(まお)は…?』

花音は机の上で漢字を書いた。

『音を愛する人になってほしいって意味で…』

『めっちゃいいじゃん!いつそんなの考えたんだよ…!』

『検査の帰りに本屋さんに行ったらこういうのが本に載ってて、いいなぁって思ってたの。』

『そっか。じゃあ愛音にするか!』

『うん!愛音〜、これからよろしくね』

花音は愛音の頬をプニプニした。

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