† 九の罪――殺し屋殺し(玖)
紫の業火がカルタグラの全周を駆け巡り、螺旋を成した。
「……だから嫌いなんだよ」
目前の敵影から、斬り捨ててゆく。
「そういう計算上は、とか――――」
反す刃で一つ、また一つ。
「可能性が、みてーなヤツはよぉ」
必滅の焔に触れた虚像が、ことごとく霧散する。
(……くっそ、なんつー活きの良さだ。抑えても抑えても暴れやがって……! それでも――――)
それでも、腕を苛む重圧に耐え、猛る魔剣を振るう狂乱の剣士。
「まだまだーッ!」
息もつかせぬ連撃は、幻影の接近を阻み続けているが、蛇の如くうねる魔力で無数の剣閃を描く信雄も、限界が近い。
そして、残る一人が間近に肉迫していた。
「無理できんのも……人間だからだろうがァああああ!」
すれ違うのは、他ならぬ北畠みつき本人。
対して、信雄の繰り出した胴払いもまた一筋。
「――――っ!」
交錯は、一瞬だった。
洋楽の邦題って「いやwwwちょっと無理あり過ぎィ!」って超絶意訳が多いけど「Aces High(撃墜王の孤独)」のセンスには、ぐぅの音も出ませんわ…………
歌詞もシンプルゆえの破壊力に満ちてるんだよなあ。
Run,Live to fly.
Fly to live.
Do or die.
――――かっこいい(確信)




