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† 四の罪――現世(うつしよ)の邂逅(玖)


                 † † † † † † †


「ラッシュが甘い! 隙を与えるな!」

 叱咤激励を受けながら、隊長に挑む俺たち。徒手格闘はチーム多聞丸に入った当初から習っているが、いつもの脱力っぷりが嘘のような彼には、いまだ気圧されてばかりだ。高速でワンツーを繰り出し、流れるようなローキックにつなげる。時折スイッチして変化をつけるものの、教わったことだけをしていても師には勝てない。

(……やっぱ三条はシュートボクシングやってただけあって安定してんな。接近戦じゃ並んだと思ったけど、こいつも日々強くなってる――くそっ、こいつは魔術型の妖屠なんだぞ……この距離で後れをとってどうする!?)

 一人称がこうなのは、両親が怪魔にやられたとき守ってくれた男に育てられたから、と言っていたが、男も顔負けの格闘術もその人物に伝授されたのだろう。彼女の攻撃には、格闘技経験者ならではの無駄がない型と、実戦向けの稽古を数こなしてきた勢いが共存していた。しかし、その三条と二人がかりでも崩せないのが、眼前の上司だ。防衛大、陸自、国防陸軍、と戦いに人生を捧げてきた男――年齢と巨躯に見合わぬ身のこなし、鋭いジャブをはじめとするボクテク、何より、戦場で敵兵を屠ってきた気迫。

 俺とて、アダマースに入る前から蛍光灯の紐シャドーを欠かさず、川沿いをランニングしながら迫り来るアブラムシをかわして鍛えた動体視力には、自信を持っていた。平和の使者たる外交官だからこそ強くなきゃいけない、と言っていたキックボクシング経験者の兄から習った格闘技の知識も多少ある。しかし――――



 肉弾戦の描写がやたら細かいのは、立ち技格闘技ファンゆえでもあります。

ただし、自分はまったくやりません。痛みに弱いので

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